【1,2歳児おすすめ絵本】はけたよはけたよ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「はけたよはけたよ」は私が”衣服の着脱に関心を示して欲しい””出来なかった事が出来た時の喜びを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「はけたよはけたよ」はこんな絵本!
「はけたよはけたよ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「はけたよはけたよ」を簡単にまとめてみました。
- 発行部数110万部を超えるベストセラー&ロングセラー作品
- 衣服の着脱の難しさに子どもも共感できる
- 難しい事が出来た事の喜びや達成感を味わえる
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
葛藤、達成感、優しさが感じられる絵本です。
たつくんは、一人でパンツが履けません。何度やっても転んでしまいます。そして、「パンツなんか履かない!」と言って外に駆け出してしまいます。
しかし、外に出ると動物たちがいて、パンツを履いていないたつくんを笑います。尻尾がない事を笑われたり、尻餅ついて泥だらけになったり…たつくんはお家へ帰りました。
お母さんが優しくお尻を洗ってあげると、たつくんは寝ころびながらもう一度挑戦!
自分で履くことが出来てとっても嬉しそう。お母さんに縫ってもらったズボンも素敵です。
自分で履くことが出来る喜びを心から味わえる一冊です。
こんな方におすすめ
- 衣服の着脱に関心を持てる絵本を探している人
- 達成感を味わう良さを感じられる絵本を探している人
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排泄が楽しく感じる「ノンタン おしっこしーしー」
ノンタンシリーズの排泄をテーマにした作品。「しーしーしーなんのおと?」という一定の言葉が心地良く、言葉の楽しさも感じる事ができます。最後はノンタンもおしっこが出来る描写があり、達成感も得られます。
排泄に悩んでいる時に読みたい一冊です。
食事が楽しみになる仕掛けいっぱいの「いただきます」
仕掛けをめくると動物たちが「いただきまーす!」と美味しそうに食べ物を食べている姿が魅力的な絵本。食べる事に対してプラスのイメージを持つ事が出来る工夫が詰まっています。
クイズのような文構成も楽しい一冊です。
目的・ねらい
- 衣服の着脱に関心を示し、自分でしようとする
- 出来なかった事が出来た時の喜びを感じる
目的・ねらい1
子どもの気持ちに寄り添った描写がたくさんあります。
子どもにとって衣服の着脱は誰もが苦戦する大きな壁の1つです。
自分でしたい気持ちはやまやまだけど中々できない悶々とした気持ちが「はけたよはけた」では、その気持ちに寄り添うように描写されています。
主人公のたつくんに自分自身を重ね合わせて「やってみよう」「できたらいいな」という思いを通じて衣服の着脱に関心を示すことができるでしょう。
目的・ねらい2
達成感を得るきっかけになります。
子どもの成長の中で、ハイハイができた、立つことができた、排泄ができたなど様々な達成感を得る機会があり、その中の1つに衣服の着脱もあります。
何度も練習して、試行錯誤しながらようやく出来るようになることなので、その達成感も大きいものとなります。
パンツ、ズボンを履くことが出来た時のたつくんの様子を見ていると、出来なかった事が出来るようになった時の喜び、達成感を得ることの嬉しさが伝わってきます。
その嬉しさを得るために「頑張ろう」と思える一冊です。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 1,2歳児、特に1歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
1歳児がおすすめです。
衣服の着脱、特におむつやパンツ、ズボンを一人で履くことができるようになるのが1,2歳児頃です。
その頃に合わせて読むことで、たつくんと自分自身をより重ね合わせて絵本に移入することができるでしょう。
時期・季節・行事
自分で全部やりたい姿が見られる時期に読むといいでしょう。
1歳を過ぎた頃になると自我も芽生え、何に対しても「自分でやりたい」と思う事が増えてきます。
そんな時期に読むことで、一人でパンツ、ズボンを履くことが出来たたつくんを見て「自分もできるかも」と感じる事が出来るでしょう。
衣服の着脱がテーマの絵本なので、季節感も特にありませんし、行事に関連する内容ではありません。子どもの様子に合わせて一年中楽しむ事ができます。
読み聞かせのポイント
- たつくんの感情を声で表現しましょう
- 落ち着いた雰囲気の中で読みましょう
ポイント1
怒り、悲しみ、妬み、喜び…様々な感情が出てきます。
一人で履くことが出来ないことに対する怒りや悲しみ、さぎくんは上手に立つことが出来るのに自分はできない事に対する妬み、一人で履くことが出来た事への喜び。
感情が表出する場面では、必ずたつくんのセリフが書かれています。
たつくんの気持ちを代弁するようにしっかりと感情を乗せて読むことで、聞き手にもたつくんのもどかしさや履くことが出来た時の喜びがより伝わるようになり、内容の理解が更に深まります。
ポイント2
雰囲気を作り、内容が伝わりやすくしましょう。
「はけたよはけたよ」は、作品を通して、絵のタッチも相まってどこか落ち着いた、優しい雰囲気が流れています。
その雰囲気を大切にしながら読むように心掛けてください。
途中でおしりなどがでてきますが、笑うシーンではなく、たつくんの悔しさが表現されている大切な場面です。
どこか落ち着かない雰囲気の元で読んでしまうと子どもも気持ちが高まり笑ってしまう恐れがあるので、内容を丁寧に伝える為にも落ち着いた雰囲気作りを読み手がしっかりとしましょう。
まとめ・Ryuの感想
着脱で困っている時期に是非読みたい一冊!
大人にとっては当たり前のようにできる衣服の着脱ですが、子どもにとっては物凄く難しく、また、乗り越えたいと思える壁の1つです。
そんな着脱、特に着る・履くにフォーカスした「はけたよはけたよ」は、主人公であるたつくんの気持ちが痛いほど分かるので、子どもも自分をたつくんに重ねてしまいます。
悔しさや悲しさを乗り越えた先にある喜びが丁寧に描かれている場面がとても素敵です。
また、たつくんがいくら失敗をしても温かく受け入れてくれるお母さんの優しさも、本作の温かさを増している1つの要因でもあります。
私が読み聞かせをしたときには、おしりの場面で笑ってしまう子がいて、試行錯誤して雰囲気作りの大切さに気付かされ、雰囲気作りをしてからは、笑う子も殆どいなくなり、子どもがいかに雰囲気に敏感なのかを痛感しました。
乳児期に一度は読んで欲しい一冊です。
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