【1,2歳おすすめ絵本】こぐまちゃんのみずあそび【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

「こぐまちゃんのみずあそび」は私が”水に関心を示して欲しい””見立て遊びに繋げて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 水に関心や興味を示し触ろうとする
- 身の回りのモノを様々なモノに見立てて遊ぶ
作品紹介
「こぐまちゃんのみずあそび」はこんな絵本!
「こぐまちゃんのみずあそび」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「こぐまちゃんのみずあそび」を簡単にまとめてみました。
- 夏に読みたいこぐまちゃんシリーズ
- 様々な水の使い方を知り、水に興味を持つ
- 発想が豊かになり、遊びに繋がる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


水の楽しさ・使い方がぎゅっと詰まっています。
こぐまちゃんがじょうろを持ってお花に水をあげます。今度は金魚さんにじょうろを使った噴水や暑いからとありさんに水をかけてあげます。
そこにしろくまちゃんがホースを持ってやってきて二人で水の掛け合い!水の上に葉っぱを浮かべるとボートみたい。
いっぱい遊んで泥だらけになった二人は、シャワーで綺麗になりました。
水の魅力に気付かせてくれる夏に読みたい一冊です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「こぐまちゃんのみずあそび」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 0~2歳が楽しめる夏向けの絵本を探している
- 水の楽しさ、魅力に気付ける絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「こぐまちゃんのみずあそび」探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


夏の前に読みたい季節感あふれる「なつのおとずれ」
梅雨明けのニュースと共に太陽の呼びかけで夏に関連するモノが一斉に集まるコミカルな作品。スイカ、カブトムシ、扇風機、スイカなど夏に関連するモノを楽しく絵本を通じて知る事ができます。
夏が楽しみになる一冊です。


夏祭りが分かりやすく描かれた「パオちゃんのなつまつり」
パオちゃんとその友だちが夏祭りに行き、屋台や出店などを楽しむお話し。難しい描写がなくどんな年齢でも夏祭りの雰囲気を楽しむ事ができます。
乳児向けの夏祭り絵本として読みたい一冊です。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 水の様々な使い方を知り、水に関心を示す
- 身近なものを使って様々な遊びを思いつく
目的・ねらい1
水は飲んだり、手を洗うだけじゃない!
「こぐまちゃんのみずあそび」では、水の様々な楽しみ方を自然と紹介しています。
花に水をあげる、噴水、体を冷やすもの、水たまり遊び、体を綺麗にする…などなど、使い方次第で様々な事ができてしまうことをストーリーの流れの中で自然と理解できます。
子どもにとっても水は身近なものですが、意外とその魅力や不思議に関心を持つ機会は少ないものです。
そこで「こぐまちゃんのみずあそび」を読むことによって、身近で魅力たっぷりな水の存在に関心を示すきっかけを作ることができるでしょう。
目的・ねらい2
様々な角度から物事を見る楽しさに気付けます。
目的1と重なる部分でもありますが、「様々な使い方の発見=物の見方の変化」でもあります。
例えば、金魚に水をあげているシーンでは、ただの水を噴水に見立てたり、水たまりに葉っぱを浮かべるシーンでは、ボートに見立ててしろくまちゃんと競争を楽しんでいます。
このように一見”ただの水”や”ただの葉っぱ”を身近な何かに見立てて楽しむ遊びを「見立て遊び」と言います。見立て遊びは、想像力を豊かにするだけでなく、おままごとやごっこ遊びに繋がる非常に大切な遊びです。
身近なものを何かに見立てる楽しさ、想像力を豊かにするきっかけを与えてくれる一冊でもあります。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 1,2歳児、特に1歳児 |
季節 | 夏 |
行事 | 水遊び、プールなど |
対象年齢
1歳児頃がいいでしょう。
文の量、ページ数やシンプルな絵などを考えると1歳児が楽しむのに丁度良い絵本になっています。
0歳児後期でも楽しむことができると思いますし、2歳児でも十分楽しむことができるので、季節や子どもの様子に合わせて読んでみましょう。
時期・季節・行事
水をずっと触っている姿が見られるようになった頃がいいでしょう。
1歳児頃になると手を洗う時にずっと水に触れている姿も見られるようになってきます。それは、水の感触を楽しんでいる証拠です。
水の存在に気付いた頃に合わせて読むと、水の魅力にぐっと惹きつけられるでしょう。
水遊びが紹介されているので、季節としては夏がおすすめですが、お風呂などでも水・お湯に触れる機会は毎日あるので、一年中読むことができます。
行事としては、水遊びが始まる前などに読むと水の楽しさに気付いてから水に触れることができるので、楽しさも増すことが予想されます。


読み聞かせのポイント


「こぐまちゃんのみずあそび」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 声の抑揚をつけずにゆったり読みましょう
- 出てくる生き物に触れながら読みましょう
ポイント1
和やかな雰囲気を作りましょう。
場面が急に展開するような話ではないので、声色を大きく変えたり、感情的に読む必要はありません。
「きんぎょさん きんぎょさん ふんすいだよ」といったような、こぐまちゃんが話していると思われるフレーズはあるものの大きく声色を変えてしまうと「こぐまちゃんのみずあそび」が持っている和やかで温かい雰囲気が壊れてしまいかねないので、明るく優しい声で読む程度にすればいいでしょう。
少しゆっくりめに読むことで、対象年齢である乳児にも聞きやすく、ストーリーの展開ともあった雰囲気が演出できます。
ポイント2
何気なく描かれている生き物に注目です。
よく見てみるとバッタ、金魚、蝶々、蟻、玩具の魚など様々な生き物が登場している事に気付きます。物語には殆ど関わりないのですが、これだけ登場しているという事は作者の意図があるはずです。
子どもにとって生き物は魅力が詰まった存在であり、自分と違う生き物の存在をはっきりと理解するために、なくてはならない大切な存在です。
そんな大切な生き物を描くことによって、絵本を読む中で自然と興味が持てるようにしていると私は考えています。また、生き物が登場する事によって雰囲気や季節感などもガラッと変わりますよね。
聞き手が「あっ!」と言って生き物の存在に気付いたらでいいので、「バッタだね」などの声掛けをすると生き物に関する知識や興味も広がるでしょう。


まとめ・Ryuの感想


シンプルだけど深い作品です。
乳児向けの作品なので内容も絵もとってもシンプルではあるものの、よく見て、1つ1つの描写にどんな意味があるのかを考えながら読むと様々な発見があります。
そこには子どもの事を考えて、寄り添った描写や言葉が詰め込まれており、長年読み継がれている理由が分かる気がします。
私もこれまで書いてきたように考察をしてきましたが、ハッキリ言って幼少期にそこまで理解する必要はなく、大人が押しつけがましく水の遊びかたを教えたり、生き物の存在を伝える必要は全くないと思っています。
子どもはこの「こぐまちゃんのみずあそび」を楽しんで読むことが出来たらそれでいいのです。
私も夏になったら乳児クラスに必ず読んでいる一冊で、絵本を読んだ後には、絵本に描かれているように実際に葉っぱを浮かべて遊んだり、噴水などを作って遊んでいます。
読んだら終わりの絵本ではなく、読んだ後に実際に生活に落とし込める楽しさもある一冊になっています。



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