【3歳,4歳児おすすめ絵本徹底レビュー】そらいろのたね【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

「そらいろのたね」は私が”思いやりの大切さを感じて欲しい””身の回りのものを大切にする喜びを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 相手の気持ちを考えようとする
- 絵本の登場人物の気持ちを想像する
- 関わる人やモノを大切にする良さを感じる
作品紹介
「そらいろのたね」はこんな絵本!
「そらいろのたね」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「そらいろのたね」を簡単にまとめてみました。
- 発行部数180万部を超えるミリオンセラー作品
- 他者に親切にする大切さ、因果応報が感じられる
- 身の回りのものを大切にする良さが感じられる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


きつねが持っていた「そらいろのたね」。それを大切に育ててみると…。
ゆうじはきつねに持ち掛けられ、模型飛行機とそらいろのたねを交換します。ゆうじはそれを大切に育てました。すると”そらいろのいえ”が出てきます。
優しいゆうじは、友達や動物を招いてみんなと一緒に暮らし始めます。
しかし、意地悪なきつねはそれを返してほしいと言い、みんなを家から追い出してしまいます。
きつねは一人で大きい家に住むことができ大喜び。しかし、家がどんどん大きくなっていき、太陽にぶつかりそうになったとき”そらいろのいえ”はなくなってしまいました。
人との関わりの教訓を学べる、昔から読み継がれる名作です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「そらいろのたね」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 他者に優しくする大切さを感じることができる絵本を探している
- 相手の気持ちを考えるきっかけになる絵本を探している
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「そらいろのたね」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


ストーリーを楽しみながら教訓が感じられる「おむすびころりん」
山でおむすびを穴に落とした所から始まる楽しいストーリー。私利私欲のないお爺さんは穴にいたねずみたちから出迎えられ大判小判を貰いますが、意地悪爺さんはねずみたちから全てを奪い取ろうとします。そんな爺さんは最後にはもぐらになる物語。
因果応報が感じられる日本昔話です。


親切にするすることで幸運が訪れる事が分かる「金のガチョウ」
森にいたお爺さんにお弁当を分け与えたお礼として幸せをもたらす金のガチョウをもらい、お爺さんに助けられながら幸せになるストーリー。
教訓が詰まっていながらも堅苦しくないグリム童話を基にした一冊です。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 自分のことばかり考えていると良くないことが起こることを知る
- 周りのモノを大切にする喜びを感じる
目的・ねらい1
きつねの姿を見て様々なことを考えさせられるでしょう。
「そらいろのたね」を読んだ時に「なんで家が壊れたのだろう?」と疑問に感じるはずです。そこで恐らく「きつねは意地悪をしたから」という考えに行きつくことが予想されます。
そして「意地悪をしたら嫌なことが起こるんだな」と感覚的に理解できるでしょう。
勿論、この考えが正解ではありません。家が壊れた原因を考えること自体が大切だと思います。
目的・ねらい2
友達・動物・植物などの大切さを再認識できます。
そらいろのいえに友達や動物が来たときのゆうじは嬉しそうです。
また、種に水をあげているところや家が出てきたときには、植物に対する愛も感じることができます。
そんなゆうじや友達・動物の姿を見ていると「周りのモノを大切にした方が幸せになれるかもしれない」。そんなことを感じることができるでしょう。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 劇、発表会など |
対象年齢
幼児期、3歳児以降がおすすめです。
内容としては「意地悪なことをすると返ってくる」といったことの教訓を感じる絵本なので、乳児には少し難しいでしょう。
動物たちや大きくなる家の絵を楽しむだけなら乳児でも大丈夫だと思います。
時期・季節・行事
他者にも気持ちがあると気づき始めた頃がいいでしょう。
他者の気持ちを理解できないことには、どういったことが意地悪なのかも分かりません。なので、相手の気持ちが分からないと今作のきつねの行動の理由も分からないのです。
家族や友達との会話の中で相手の気持ちを理解するような言動が見られた頃に読んでみましょう。
季節に関する言葉や描写はないので、一年中楽しむことができます。行事に直接は関連しませんが、劇などにもしやすい内容なので、発表会などでもおすすめです。


読み聞かせのポイント


「そらいろのたね」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- それぞれのキャラクターの気持ちを考えて読みましょう
- 読んでいる間に読み手の感想を挟まないようにしましょう
ポイント1
ゆうじ、きつね、動物。それぞれの声色を気持ちによって変えましょう。
「そらいろのたね」は、それぞれのキャラクターの心の動きが感じ取りやすく描かれています。
ゆうじときつねの最初の会話は何気なく、家に入れた動物たちは嬉しそうに、最後のきつねのセリフは傲慢にといったように、それぞれの場面に合った気持ちを考えて読み分けると、聞き手も分かりやすくなるでしょう。
個人的には、特に最後のきつねのセリフは冷たく読むように気を付けるようにしています。また、ナレーションの部分は淡々と読んでメリハリをつけるようにしています。
ポイント2
どう感じるかは人それぞれです。
実際に読むと「きつね意地悪!」といった感想が返ってくることが多いのですが、中には「きつね可哀想」といったように受け取る子もいました。
きつねは確かに意地悪なことをしたけれど、家がなくなるのは可哀想だと感じたのでしょう。我々大人が思いもしないような視点で、子どもは絵本を聞いています。
そこに大人のエゴで「このように感じさせたい」といった思惑を入れてしまうと、感じ方の自由がなくなってしまいます。
ついつい「きつね意地悪だったね」などと言いがちですが、そこはぐっと我慢して子どもの気持ちを大切にしてみましょう。


まとめ・Ryuの感想


自分の行いは返ってくる。不変の真理を伝えてくれます。
ゆうじが愛情を持って種に水をあげたら素敵なお家が出てくるところでは、愛する気持ちを持つことの大切さを。
きつねが家を独り占めし、家が壊れてしまうところでは、欲張りは全てを失うかもしれないということを伝えているように感じられます。人との関わりでも全く同じことが言えますよね。
子どもがこの意味を完璧に理解するのはとても難しいことですが、4,5歳に読み聞かせをしたときには「きつねは嫌なことをしたから、家が壊れたんだね」といったような感想も出てきました。
子どもであっても、どうしてそうなったかを考えて、何が良くて何が悪いのかを感じることができるのだと気づかされました。
ただし、上にも書いたようにきつねが可哀想だと感じる子もいたので、読み手の感想を伝えたり、感想をこちらから求めることは避けた方がいいでしょう。



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