【3,4歳児おすすめ絵本】そらまでとんでけ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

「そらまでとんでけ」は私が”子どもの日やこいのぼりに関心を示して欲しい””自分の言動で相手がどう思うのか気付ききっかけになって欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「そらまでとんでけ」はこんな絵本!
「そらまでとんでけ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「そらまでとんでけ」を簡単にまとめてみました。
- 子どもの日を舞台にした子どもに日に読みたい絵本。
- 自分がした事で相手がどう思うのかを考えるきっかけになる。
- 他者を認める大切さが感じられる。
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容


困った子は困っている子。そんなことも教えてくれる一冊です。
皆でこいのぼりを作る事になりましたが、みねこちゃんは乗り気ではありません。
友だちが作っているものを見ては「かっこわるい」「でこぼこ」「ちいさい」などなど…悪口ばっかりを言って、自分は一向に作りません。
皆に「作れないんだろ!」と言われ、悔しくなったみねこちゃんはお家で一人作る事にしました。
ですが、中々自分の思うように作る事ができません。嫌になったみねこちゃんがハサミを投げると紙が集まって…。
想像するのが楽しくなる子どもの日に読みたい絵本です。


こんな方におすすめ


- 子どもの日やこいのぼりに関する絵本を探している
- 個性を認める大切さが分かる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「そらまでとんでけ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


友だちへの優しさが大切だと感じられる絵本「そらいろのたね」
もらったものを大切にし、友だちと分け合う主人公のゆうじは、動物たちに囲まれて幸せそう。ですが、独り占めしたり、わがままを言うキツネは結局最後には全てを失うストーリー。
シンプルな絵で読みやすく、教訓が感じられる一冊です。


お互いの違いを認め合う良さが分かる「くれよんのくろくん」
赤は花、青は空、緑は草木…それぞれの色にしか出せない個性があります。でも黒は…?ある事がきっかけで煙たがられていた黒にしか出来ない事を見つけます。
みんな違ってみんな良い、そんな事が感じられる一冊です。
目的・ねらい


- 子どもの日、こいのぼりに関して興味を持つ
- 相手の気持ちを考えようとする
目的・ねらい1
昔ながらの文化を楽しく伝える事ができます。
「そらまでとんでけ」では、行事の由来やこいのぼりを飾る意味などは触れていません。
しかし、様々な形のこいのぼりを登場させることで、子どもが関心を示しやすいようになっていたり、保育園・幼稚園の日常のシーンを描写することで子どもが想像しやすいように工夫されています。
本作を読んだ流れで子どもの日の説明をすることで、印象に残りやすくなるでしょう。
こいのぼりを飾る家庭も少なくなって、こいのぼりに触れる機会が減っている現代だからこそ読みたい絵本です。
目的・ねらい2
みねこちゃんは何故嫌がられたのかを考えられると◎
みねこちゃんは友だちの作った作品すべてに何かと文句を言って、友だちに嫌な思いをさせてしまいます。
大人が読んだら何故嫌な思いをしたのかは明白ですが、子どもにとっては「何故嫌な思いをしたのかを考えること」がとても重要になります。
子ども自身がしっかりと考え、「自分の作ったものを悪く言われたら嫌だ」という思いに気付くことが出来たら、実際の集団生活の中でも友だちの思いを考える事ができるでしょう。


チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 春 |
行事 | 子どもの日 |
対象年齢
3歳児以降がおすすめです。
行事の意味を理解したり、相手の思いに気付くという事がメインになるので、そうした事をしっかりと理解できるようになる3歳児以降に読むといいでしょう。
こいのぼりの存在を知ってもらう事を目的とするなら2歳児でも十分楽しめる内容になっています。
時期・季節・行事
他人にも思いがある事を理解できるようになった頃がおすすめです。
言われたら嬉しい事・悲しい事があり、それを言われることでどういう気持ちになるのかを想像できるようになった頃に読むことで、絵本の内容が更に深く響くでしょう。
子どもの日がテーマになっているので、季節は春、行事は子どもの日の前後に読みましょう。


読み聞かせのポイント


- キャラクターの感情を表現しましょう
- 読み手の感想は伝えないようにしましょう
ポイント1
声色を出してストーリー性を演出しましょう。
「そらまでとんでけ」では、猫、熊、豚、ねずみなどのたくさんのキャラクターが登場するだけでなく。感情も分かりやすく表現されています。
キャラクター毎に声を少し変えたり、みねこちゃんが悪口を言っている場面では”妬み”、言われた動物は”怒り”、鯉のぼりが出来た時は”喜び”をしっかりと表現することで、やり取りがよりリアルに感じられ、聞き手がより作品の世界に入り込むことができるでしょう。
どの言葉がどういった感情で言われているのかを予め理解しておくことで読みやすくなるので、読み聞かせをする前に一度目を通しておくことをお勧めします。
ポイント2
聞き手自身が自分で考える事が大切です。
「相手の嫌な事を言わない」「他者を認める」ことなど、本作から学べることがあります。
しかし、それを読み手の価値観で教えるように伝えては何の意味もありません。
聞き手が自分で感じて、考える事によって始めて内容が身に染みていきます。
例えば、聞き手が「みねこちゃん意地悪」と言った事に対して「そうだね」などの共感はしてもいいですが、聞き手の感想を否定するのは避けましょう。
聞き手がどう感じるかは個人の自由です。


まとめ・Ryuの感想


行事のことだけではない一石二鳥の絵本!
「そらまでとんでけ」は、子どもの日をメインにした行事に関連する絵本ではあるものの、それだけでなく、日々の集団生活で大切になる事が盛り込まれています。
寧ろ人との関わり方について考えさせられる内容がメインになっていると個人的には感じました。
子どもの中で言っていい事と悪い事を区別することはとても難しく誰しもがぶつかる大きな壁の1つでもあります。
意地悪な事を言ったら相手がどのように思うのか、どのようにしたら相手が喜ぶのかを優しいタッチの絵で分かりやすく伝えているので、大きな壁を乗り越えるきっかけにもなり得る絵本となっています。
子どもに読んだ時には「意地悪だね」「どうしてそんなこと言うの?」と、みねこちゃんの言動を批判する声もありましたし、「鯉のぼりどっから来たの?」「鯉のぼりどこに行ったの?」など、想像力を豊かにして絵本を楽しむ子どもの姿が見られました。
人との関わりの中で大切な事を伝えてくれる一冊です。





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