【4,5歳児おすすめ絵本】おおきなかぼちゃ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「おおきなかぼちゃ」は私が”想像する楽しさや協力する大切さを感じて欲しい””ハロウィンの雰囲気を感じ、ハロウィンに期待を抱いて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 想像する楽しさを感じ、想像を楽しもうとする
- 周りの人と協力して物事に取り組もうとする
- ハロウィンを楽しみにする
作品紹介
作 | エリカ・シルバーマン |
絵 | S.D.シンドラー |
訳 | おびか ゆうこ |
出版社 | 主婦の友社 |
発行日 | 2011 | /8
値段 | ¥1320 |
大きさ・ページ数 | 26×21cm | /32P
「おおきなかぼちゃ」はこんな絵本!
「おおきなかぼちゃ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「おおきなかぼちゃ」を簡単にまとめてみました。
- 「おおきなかぶ」を彷彿とさせるような展開が面白い
- 次の展開を想像したくなる内容が最後まで飽きさせない
- ハロウィンの雰囲気溢れるキャラクターが魅力的
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
王道の展開だからこそ楽しい!ワクワクしながら楽しめるハロウィン絵本です。
魔女がかぼちゃのパイを作るため種を植えました。大事に育て、かぼちゃはすくすく育ちました。そしていよいよ明日はハロウィン。魔女はとっても大きなかぼちゃを畑に向かい抜こうとしますが、びくともしません。
そこへ幽霊がやってきました。幽霊は「俺様に任せなよ!」と言って魔女の代わりにかぼちゃを引っ張ります。幽霊は力いっぱい引っ張りますがかぼちゃは抜けません。
そこへ吸血鬼がやってきました。吸血鬼は「吾輩にお任せを!」と言って、かぼちゃを引っ張りますがやっぱりかぼちゃはびくともしません。今度はミイラがやってきて引っ張りますが、それでも抜けません。
その時、コウモリがやってきました。コウモリはかぼちゃを抜くためのとっておきの方法を知っていると言います。そして言われた通り皆でかぼちゃを引っ張ると…ぱちん!と抜けて、ごろごろ転がり魔女の家の前で止まりました。
最後は皆で魔女が作ったかぼちゃのパイを食べる事ができました。食べ終えたら魔女はまた種を撒きます。
展開を想像するのが楽しくなるハロウィンの雰囲気に溢れた一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「おおきなかぼちゃ」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- ストーリーの展開が楽しいハロウィンの絵本を探している
- 楽しさの中に協力する大切さが感じられる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「おおきなかぼちゃ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
ハロウィンに詳しくなれる「ハロウィーンってなぁに?」
ハロウィンの事を知らない魔法使いの女の子がハロウィンの事を知り、ハロウィンを楽しむストーリー。ストーリーが楽しめる事は勿論ですが、ハロウィンの由来やお菓子や衣装の作り方などハロウィンを深く理解する事ができます。
ストーリーと共にハロウィンの由来などを伝えたい時にはこちらをおすすめ。
教養としても知りたいストーリーの展開が楽しい絵本「ももたろう」
悪さをしている鬼を桃から生まれた桃太郎が仲間と共に倒す王道ストーリー。桃太郎と犬、猿、雉で鬼が島に住んでいる鬼を倒す物語。もはや説明不要の日本一有名な昔話。教養として読みたい絵本
有名物語の中で協力する大切さを伝えたい時にはこちらをおすすめ。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 想像したり、展開を予測する楽しさを知り、想像してみようとする
- 協力する大切さを感じ、物事に友だち等と取り組もうとする
目的・ねらい1
繰り返しの展開で想像しやすいのも大きな魅力です。
「おおきなかぼちゃ」は、”かぼちゃを抜こうとして取れない→次の人が引っ張るけど取れない→次の人…”といった一定の流れがあり、次の展開を予測しやすい作品。
ある程度の予測ができている状態で「次はどんな人がくるのかな?」と想像するのはワクワクも相まって、想像するのが一層楽しく感じられます。
本作を通じて想像する楽しさや展開を予測する楽しさを知り、日常の中でも想像したり、見通しを持てるようになっていくでしょう。
目的・ねらい2
楽しさの中に学びがある作品です。
繰り返しの面白い展開やハロウィンを思わせるワクワクする雰囲気に目が行きがちな本作ですが、楽しい展開の中にも協力する大切さが感じられる学びがある絵本です。
魔女やおばけ、吸血鬼、ミイラが一人でかぼちゃを抜こうとしている所にコウモリが来て、力がない代わりに上手い方法を知っていると言って、皆で協力する事を伝えます。
そんな姿を見て皆で協力すれば難しい事も出来る事や知恵を使う大切さなどを感じる事ができます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 秋 |
行事 | ハロウィン |
対象年齢
4,5歳児頃がおすすめです。
繰り返しがメインで分かりやすい展開となっているので、3歳児頃から楽しめる内容となっています。
しかし、文字量が少し多いので最後まで集中力を維持して楽しめる事が期待される4歳児以降に読む事を特におすすめします。
時期・季節・行事
少し先の未来の見通しが出来るようになった頃がおすすめです。
日常の生活の中で「こうなったらこうなる」という論理的な考えができるようになった頃に読むことで、本作が繰り返しの展開を楽しむ作品である事に気付き、想像や予測する楽しさをより味わう事が出来るようになります。
作品を通してハロウィンでの出来事になっているので、季節は秋、行事はハロウィンに合わせて読むようにしましょう。
読み聞かせのポイント
「おおきなかぼちゃ」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- キャラクターを演じ分けて読みましょう
- 聞き手の反応を見てページをめくるタイミングを決めましょう
ポイント1
特徴あるキャラクターを演じ分ける!
「おおきなかぼちゃ」には、魔女、幽霊、吸血鬼、ミイラ、コウモリが登場します。どのキャラクターも言葉遣いや語尾などに特徴があり、文面から性格が推測できます。
言葉のやり取りも多い作品なので、会話の楽しさが感じられるようにそれぞれのキャラクターの性格を想像しながら演じることをおすすめします。
ポイント2
ページをめくるタイミングがちょっと難しい!
本作は一連のストーリー、流れがある作品なのでテンポを大切にしたい作品です。しかし、かぼちゃを引っ張っても抜けないシーンなどは面白く、笑いが起こるためササッと次のページに行くと余韻が楽しめません。
ページをめくるタイミングとしては聞き手の様子を見て、笑いが収まってきた頃に合わせてめくると面白さの余韻を楽しみつつ、テンポを壊さないで読み進める事が多いのでおすすめです。
まとめ・Ryuの感想
ハロウィンに面白いイメージを持たせてくれる一冊です。
表紙を見て内容を想像するとどこか怖そうな印象がありますが、怖い要素は1つもなく、寧ろ笑いながら楽しめるハロウィン絵本になっています。
展開は有名童話の「おおきなかぶ」に似ており、「おおきなかぶ」のハロウィン版といったところ。
実際に読み聞かせをすると最初は絵柄から少し怖そうな表情を浮かべている子もいますが、読み進めると展開を理解して緊張からの解放と共に笑顔が見られるようになります。
かぼちゃが抜けた時には拍手をしたり、歓声があがったりと心から作品を楽しんでいる姿が見られます。
文章を少し長めではあるものの、展開が楽しいのでそこまで気にならず、言葉のテンポの良さも相まってあっという間に読み終えている印象です。
ハロウィンに親しむ、想像を楽しむ、協力する大切さを知るなど、様々な用途で楽しめる作品です。
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