【2,3歳児おすすめ絵本】みんなのおねがい【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「みんなのおねがい」は私が”七夕の存在を知って欲しい””自分の願い事を考えて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 七夕の存在を知る
- 七夕に前向きな印象を持つ
- 自分の願い事を考えようとする
作品紹介
作 | すとう あさえ |
絵 | おおい じゅんこ |
出版社 | ほるぷ出版 |
発行日 | 2019 | /5
値段 | ¥1045 |
大きさ・ページ数 | 17×17cm | /24P
「みんなのおねがい」はこんな絵本!
「みんなのおねがい」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「みんなのおねがい」を簡単にまとめてみました。
- 行事に親しみが持てる「はじめての行事えほん」シリーズの七夕編
- 七夕という言葉や存在をストーリーの中で自然に覚えられる
- 自分のお願い事や夢を一緒に考えたくなる構成が魅力的
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
心が温まる友だちと過ごす七夕のお話し。
今日は七夕。うさぎのうーちゃんはお母さんと笹飾りを作ります。皆のお願い事が星まで届くように輪飾りを長く繋げます。そして、うーちゃんは皆のお願い事が何なのかが気になりました。
うーちゃんはねずみのちゅーくんの家に行き、お願い事を聞いてみます。ちゅーくんは大好きなチーズのお家に住むこと!うーちゃんとちゅーくんはくまのまっくんにもお願い事を聞いてみることにしました。
くまのまっくんは大きな空を鳥さんのように飛ぶこと!そして三人でかえるのけろろちゃんにもお願い事を聞いてみました。けろろちゃんのお願い事は虹色のかえるになること!
うーちゃんの家で皆のお願い事を笹につけます。うーちゃんのお願い事を見ると「みんなといつまでも仲良しでいられますように」。でも、もうそのお願い事は既に叶っているようです。最後は笹の元で皆で流しそうめんを楽しみました。
初めての七夕絵本にぴったりな温かい作品です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「みんなのおねがい」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 乳児向けの七夕に関する絵本を探している
- 願いや夢を想像する楽しさを感じられる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「みんなのおねがい」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
乳児からでも七夕に触れられる「たなばただいぼうけん」
乳児にとっては難しい七夕でも、仕掛けなどを通して楽しく触れる事が出来る絵本。短冊や織姫・彦星など、七夕に関連する言葉を知る事ができます。誰でも親しめる易しい仕掛けが楽しい一冊です。
仕掛けと共に楽しく七夕に親しむきっかけを作りたい時にはこちらをおすすめ。
救急隊員の仕事を知るきっかけになる「いそげ!きゅうきゅうしゃ」
「竹下文子×鈴木まもる のりもの絵本」シリーズ。町の中で起こる様々な怪我や事故に対応していく救急隊員の姿や救急車、ドクターヘリなどがかっこよく描かれています。乗り物だけでなく、仕事にも興味を持つきっかけになる一冊。
将来の夢や仕事について考えるきっかけとなる作品を探している時にはこちらもおすすめ。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 七夕の存在や言葉を知り、親しみを感じる
- 自分の夢やお願い事を考えてみようとする
目的・ねらい1
七夕を知るきっかけにぴったりな内容です。
対象年齢である2,3歳児の頃には「七夕」と言われてもどんな行事なのかピンときません。言葉を聞いたことがあっても一年も前の事なので忘れている可能性もありますし、どんなことをするのかもまだ分からない可能性が大いに考えられます。
「みんなのおねがい」は話し全体が七夕の日を舞台に進んでいきますが、七夕に関連するものとしては笹や七夕飾り、そして願い事などが登場し、複雑なものではなく七夕の概要がストーリーと共に自然と理解できるようになっています。
七夕を認識していない状態から読んでも七夕がどのようなものなのかを知る事ができますし、七夕という言葉とそのイメージを結び付けるのにぴったりな易しい内容になっています。
目的・ねらい2
自分自身に向き合うきっかけにもなる貴重な経験ができます。
本作の内容で一番心が引き込まれるのが、ねずみ、くま、かえるが願い事を語るシーン。言葉だけでなく描写も相まってそれぞれの生き物の願い事に聞き手もワクワクしてしまいます。
そして、登場する生き物の願い事だけでなく自分自身の願い事も考えたくなるのが「みんなのおねがい」の非常に魅力的なところ。
これまで自分の願いや夢について考えた事がなかった子も多くいるでしょう。自分自身い向き合う経験だけでなく、先の事を考えることで見通しを持ちながら生活し、生きる事にも希望を持つきっかけにもなり得ます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に2歳児 |
季節 | 夏 |
行事 | 七夕 |
対象年齢
2,3歳児頃がおすすめです。
最初から最後まで続くストーリーがあり、多少集中力は求められますが文字数も少なく、生き物たちの願い事を聞くという一定の話の流れがあるので展開も分かりやすいです。
2歳児には行事全般を深く理解することは難しいですが、「みんなのおねがい」は七夕の大枠を知り興味を持つきっかけとなる内容なので、2歳児でも問題なく楽しむ事ができます。
時期・季節・行事
自分の気持ちを言葉や絵などで表現できるようになった頃がおすすめです。
七夕は今の自分にはないものを考えたり、「こうなったらいいな」という想像を楽しめる行事。また、欲しいものを言語化したり絵などで表現できることで更に楽しさが深まります。
自分の思いを表現できる時期に読むことで表現する楽しさも感じる事ができます。
七夕がテーマの作品なので、季節は夏、行事は七夕に合わせて読みましょう。
読み聞かせのポイント
「みんなのおねがい」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- キャラクターで声を演じ分けることを意識しましょう
- 温かい雰囲気で少しゆっくり読みましょう
ポイント1
言葉のやり取りも楽しめる作品です!
本作はうさぎ、ねずみ、くま、かえるとの間で言葉のやり取りが書かれており、そのどれもが短い文でテンポよく会話が進んでいきます。
ゆったりと落ち着いた雰囲気の作品なので大げさに演じ分ける必要はありませんが、少し声を分けるだけで実際の会話のような楽しさを味わう事ができるので、少し意識して読むことをおすすめします。
対象年齢である2歳児は言葉のやり取りも活発になってくるので、会話の楽しさに気付いて言葉の発達にも良い影響があることが期待できます。
ポイント2
作品全体の雰囲気を大切に!
「みんなのおねがい」は作品全体を通して温かさが感じられる描写や展開。無理に盛り上げる必要はなく、作品の雰囲気を大切にしながらゆったりと七夕に触れる時間を聞き手と共有したい作品です。
少し言葉をゆっくり読むことで、生き物が願い事を語るシーンでは聞き手も自分の願いを考える余白が生まれます。
焦らず聞き手との気持ちの共有を楽しみながら、温かな表情と共に読むことをおすすめします。
まとめ・Ryuの感想
七夕だけじゃない!明るい願いを想像できる温かい絵本。
七夕関連の絵本と言うと七夕に関連するモノの名前や由来を説明するようなものを想像してしまいますが、本作はそうした少し難しいものはなく、願い事・夢といったものに重きが置かれているように感じられます。
それぞれの生き物の楽しそうな願い事を知り、ワクワクしたり自分の願い事を考える楽しさと共に七夕に触れる事ができます。七夕を全面に押し出すような描写はなく、純粋なストーリーとして楽しめる点も魅力的です。
読み聞かせをすると読んだ後に自分の願い事を考える姿が見られ、「ぶどう食べたい!」「玩具が欲しい!」など様々な願い事が出てきます。
大きく展開が動いたりせず、落ち着いた雰囲気で楽しめますし、文字数も少ないので初めての七夕絵本にぴったりの作品となっています。
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