【2,3歳児おすすめ絵本】たなばただいぼうけん【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「たなばただいぼうけん」は私が”七夕の存在を認識してほしい””仕掛けを楽しむ中で七夕に親しみを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 七夕という言葉や存在を知る
- 七夕に興味を持つ
- 仕掛けを楽しみ絵本の楽しさを感じる
作品紹介
「たなばただいぼうけん」はこんな絵本!
「たなばただいぼうけん」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「たなばただいぼうけん」を簡単にまとめてみました。
- ストーリーを楽しむ中で自然と七夕に触れる事ができる。
- 七夕に関連する言葉が自然に身につく。
- 仕掛けを通して絵本や七夕に親しみを持てる。
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
七夕が楽しいものだと感じられる分かりやすい絵本です。
七夕の日ちゅーたんは短冊になくしてしまった帽子が見つかるようにお願いを書きましたが、風に飛ばされてしまいます。
それを見つけたのはちゅーひこぼし様を探していたUFO!そして、ちゅーたんとちゅーひこぼし様を間違えて宇宙に連れていってしまいます。
しかし、本物のちゅーひこぼしを見つけて間違いに気付きますが、二匹はそっくりですぐに仲良くなりました。そして、ちゅーおりひめも一緒に三匹でお食事を楽しみます。
食事が終わり地球に戻ったちゅーたん。短冊に書いたお願いは叶うのでしょうか…。
仕掛けもあり、シンプル!誰でも楽しめる七夕の絵本です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「たなばただいぼうけん」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 初めての七夕に関する絵本を探している
- 仕掛けが楽しめる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「たなばただいぼうけん」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
夏のモノが大集合!夏が味わえる「なつのおつずれ」
すいか、アイスクリーム、かき氷、扇風機など、夏に関連するモノが夏に向けて走り出すストーリー。「だるまさん」シリーズを描いたかがくいひろしさんによるコミカルな展開に笑ってしまいます。
夏が来るのを楽しみにできる一冊です。
楽しい雰囲気ながらしっかり由来を説明している「たなばたセブン」
たなばたセブンと子どもたちが織姫と彦星が会えるようにてるてる坊主などを作ります。たなばたセブンが七夕の由来も丁寧に説明してくれ、誰でも親しみを持つ事ができます。
「たなばただいぼうけん」より年齢が上の子に読みたい一冊です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 七夕という行事や関連する言葉を知る
- 仕掛けを通して絵本に興味を持つ
目的・ねらい1
シンプルなので誰でも楽しむ事ができます。
行事の意味や行う事を理解するのは難しい事ですが、「たなばただいぼうけん」は深く行事の由来などにはあえて触れておらず、ストーリーの中で自然と行事を知る事ができるようになっています。
しかし、短冊や織姫・彦星、天の川といった七夕に関する言葉はしっかりと押さえられており、七夕に関連する言葉を認識する事ができるでしょう。
「たなばたのだいぼうけん」で知った言葉を保育園・幼稚園、また家庭での七夕会など、実際の生活の中で触れる事で、知識として身につけることができます。
目的・ねらい2
ちょっとした仕掛けが丁度良い!
行事に関連する絵本ではあるものの、ちょっとした仕掛けもあり絵本自体を好きになるきっかけにもなり得ます。
対象年齢である2歳児だと、まだ絵本に対して関心が薄い場合もありますが、仕掛けがあることで興味や関心を引きやすくなり、そこから絵本自体に興味を持つきっかけになる事もあります。
メインテーマの”七夕について知る”ことから大きく逸れることのない、ちょっとした仕掛けとなっているので仕掛けから絵本に興味を持ち、そこから七夕について関心を持つことに繋げる事ができるでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に2歳児 |
季節 | 夏 |
行事 | 七夕 |
対象年齢
2歳児がおすすめです。
行事について深く触れていない事や文の量、絵のシンプルさなどを考えると乳児期、特に行事のことも少しずつ意識できるようになる2歳児がいいでしょう。
幼児でも十分楽しむ事はできますが、「たなばたセブン」など、七夕の事をもっと深く説明している絵本でも理解する事ができるので、そちらの方がおすすめです。
時期・季節・行事
行事という存在を少しずつ理解できるようになった時期がおすすめです。
行事というものを全く理解していない状況で読んでしまうと内容が殆ど入らない事が考えられるので、日頃から行事について話したりすることで、行事に対する認識ができるようにしておくことをおすすめします。
季節としては、七夕前の梅雨や夏。行事としては、もちろん七夕。保育園や幼稚園で七夕会がある場合には、会の中で読んでもいいでしょう。
読み聞かせのポイント
「たなばただいぼうけん」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 声色を変えてキャラクターを演じ分けましょう
- 聞き手の疑問に答えながら読み進めましょう
ポイント1
演じ分けで展開を分かりやすく!
「たなばただいぼうけん」はストーリーの大半が会話で構成されています。なので、それぞれのキャラクターを演じ分けることで聞き手に話の展開が伝わりやすくなります。
乳児にとっては決して短くはない文量なので、淡々と読んでしまうと最後まで集中が持たず話の途中で飽きてしまう可能性もあります。
キャラクター数は約4人なので、演じ分けもしやすくなっています。自分の思うキャラクター像で声色を変えて演じてみましょう。
ポイント2
質問があったら話の途中でも丁寧に答えるのがおすすめです。
七夕の話ではあるものの、由来の説明等はなく、ストーリーの中に七夕に関連するモノがさりげなく取り入れられているだけです。
ですが、読んでいる中で聞き手から「これ何?」と質問されることも十分に考えられますし、私は実際に質問されたことが多くあります。
質問をされたら七夕に触れるチャンスだと思って、話の途中でも「これは短冊っていうお願いを書くものだよ」としっかり伝えると七夕について関心を示す可能性も増すので、聞き手の質問には丁寧に答えるといいでしょう。
まとめ・Ryuの感想
行事の入門書のような役割をしてくれます!
話の展開はあるもののシンプルで分かりやすい、子どもを惹きつける仕掛け、さりげなく触れられている七夕に関連するもの…行事に初めて触れる絵本にピッタリの絵本です。
「たなばただいぼうけん」を読んだ後に他の七夕に関連する絵本に繋げたり、実際に短冊にお願いを書いたりするなど、より深く七夕に関わるきっかけになり得る絵本となります。
実際に2,3歳児クラスを中心に読んだ時には、2歳児は行事というよりは話の展開や仕掛けを純粋に楽しんでいる様子がうかがえましたし、3歳児は短冊や織姫、彦星などにも関心を示しながら楽しんでいました。
読む年齢によって楽しみ方も変わってくる絵本、言い換えればどの年齢でも楽しめる絵本となっています。
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