【2,3歳児おすすめ絵本】ないしょでんしゃ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

「ないしょでんしゃ」は私が”冬の雰囲気を感じながら冬に親しみを感じて欲しい””絵や仕掛けを楽しむ中で物語の展開を想像しながら楽しんで欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 冬に親しみを持つ
- 展開を想像する楽しさを感じる
- 絵を楽しみ、絵から情報を読み取る


作品紹介
作 | 薫 くみこ |
絵 | かとう ようこ |
出版社 | ひさかたチャイルド |
発行日 | 2012/12 |
値段 | ¥1320 |
大きさ・ページ数 | 25×25cm | /25P
「ないしょでんしゃ」はこんな絵本!
「ないしょでんしゃ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「ないしょでんしゃ」を簡単にまとめてみました。
- 「薫くみことかとうようこのあかいでんしゃ」シリーズの冬編
- 雪いっぱいで冬の雰囲気が存分に味わえる
- 丁寧に描き込まれた絵や仕掛けと共に展開を楽しめる
まるわかりQ&A


あらすじ・ストーリー・内容


駅長さんと雪だるまの内緒の電車旅が楽しめます。
ここは”もりのひろばえき”。今年も雪が降り、駅長さんが「雪が解けるまでお休みします」と看板を掛けました。明日からお休みの赤い電車を森の動物たち皆でお掃除。赤い電車と駅長さんにお礼を伝えます。
駅長が座席に座ってホッとしていると「シー ゴトン、ナイショ ナイショ…」と動き出しました。眠っていた駅長さんが目を覚ますと運転席に雪だるまくんいて、運転しています。
タタン トトン、ナイショ ナイショ…と音を立てて森の奥へと入っていきます。「次はどっさりー、どっさりー」とアナウンス。そんな駅あったかなと思っていると雪だるまたちがどんどん乗ってきました。
ないしょ電車はどんどん進み、「次はすべりだいー、すべりだいー」「次はぐるぐるー、ぐるぐるー」。アナウンスと共に急降下する線路やぐるぐるの線路など、楽しい線路がどんどん登場します。
そして、トンネルを抜けると…そこは雪だるまの国!大勢の雪だるまが遊んだり、お店を開いて楽しんでいます。皆でいっぱい遊んでないしょ電車は帰ります。これは雪だるまと駅長さんだけの秘密です。
楽しい展開と仕掛けに心が躍る、冬の雰囲気満載の作品です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「ないしょでんしゃ」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 冬に関連する仕掛けがあって読み易いストーリー絵本を探している
- 細かい所まで丁寧に描写されている絵を楽しめる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「ないしょでんしゃ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


ねずみの家族の静かな冬を楽しめる「14ひきのさむいふゆ」
ねずみの家族の日常が描かれた温かい作品「14ひきの」シリーズ冬編。ゲームや製作をしたり、スキーやそりを楽しんでいる姿が繊細な描写と共に楽しめます。
落ち着いた雰囲気のある作品を楽しみたい時にはこちらをおすすめ。


寒冷地の生き物の楽しいストーリー「ペンギンホテル」
寒冷地を舞台にしたペンギンのホテルの一日が描かれた作品。広い海のどこか遠くにあるペンギンホテルは、世界中から様々なお客様がやってきます。ライオン、キツネ、白鳥、白熊、泳ぎ疲れたクジラまで…。バタバタ忙しいですが、みんな満足して帰っていきます。
生き物について更に触れたい時におすすめの一冊。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 冬に関連するストーリーを見る中で冬に親しみを感じる
- 絵から情報を読み取り、展開を想像しようとする
目的・ねらい1
まさに冬!な描写が冬に親しみを感じさせてくれます。
一面の雪景色や多くの雪だるまが登場するストーリーを見る中で冬の雰囲気を感じ、「こんな事があったらな…」と冬に対してワクワクするような気持ちを抱くことができます。
ドキドキできるような展開は勿論、子どもが大好きな仕掛けがあったり、優しく温かい人物や動物たち、雪だるまなども相まってキャラクターに親しみを感じやすく、読む中で自然と冬にも親しみを感じる事が出来る作品となっています。
目的・ねらい2
隅まで描かれている丁寧な描写も魅力的です。
「ないしょでんしゃ」の大きな魅力の1つは細部まで丁寧に描かれた絵と次の展開を予測したくなるような仕掛けや描写。
森の動物たちが総出で電車の掃除をしたり、雪だるまの国に到着した時の絵は圧巻で、多くの動物や雪だるまが1匹ずつ、1つずつ丁寧に描かれていて絵を見ているだけでもワクワクします。
また、仕掛けをめくることで展開が進んでいくので、仕掛けをめくる前にどんな事が起こるのかを楽しみにしながらストーリーを楽しむ事ができます。
勿論、文や文字からの情報もありますが絵だけでも十分に楽しめ、視覚で情報を得る良さ、楽しさに気付ける作品です。


チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に3歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
2、3歳児頃におすすめです。
最初から最後まで展開が一続きとなっている作品なのである程度の集中力を要しますが、文字よりも絵から情報を得る事ができたり、聞き手の集中を引きつける仕掛けなどがあるため2歳児からでも十分に楽しむ事ができます。
絵を十分に楽しむ集中力や展開を想像する想像力などを考えると3歳児に読む事をおすすめします。
時期・季節・行事
短いストーリーの絵本を楽しめるようになった頃がおすすめです。
有名な所で言うと「かいじゅうたちのいるところ」や「てぶくろ」などの最初から最後まで一連の流れがありながらも分かりやすい展開の絵本を楽しめるようになった頃に読むことで「ないしょでんしゃ」も最後まで集中して楽しめるようになるでしょう。
作品全体が雪景色であったり、雪だるまが主要なキャラクターであるため季節は冬。行事に関する描写はないので、冬の期間であればいつでも楽しめる作品です。
読み聞かせのポイント


「ないしょでんしゃ」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 緩急をつけて読みましょう
- 絵を楽しめるように間を作りましょう
ポイント1
内緒のドキドキ感と仕掛けの解放感を表現する!
「ないしょでんしゃ」というだけあってタイトルの通りどこか秘密に包まれたような雰囲気や言葉が使われているので、ひっそりとした静かな場面も楽しめます。
一方で仕掛けをめくる時や雪だるまの国が露わになった時の解放感や盛り上がりのギャップが楽しめる作品なので、場面によってひっそりと内緒にするような雰囲気で読んだり、仕掛けをめくる時には思い切りパッと開いて声を大きくするなど、解放感を表現すると聞き手を一気に引き込む事ができます。
ポイント2
丁寧で細かく描かれた描写を楽しめるように読む!
ストーリーや仕掛けが楽しい事は勿論、その世界観に引き込む絵も魅力の1つです。序盤の生き物が沢山登場するシーンや中盤にはぐるぐる回るじぇっとこーのような線路、最後は雪だるまの国など絵の見どころが散りばめられています。
「ライオンがいる!」「うわ!長い線路!」「アイスクリーム屋さんもある!」などそれぞれの場面で様々な反応が返ってくるので、その反応をしっかりと受け止め反応が収まってきたタイミングでページをめくるとストーリーの流れを切ることなく、絵も十分に楽しむ事ができます。


まとめ・Ryuの感想


展開、言葉、絵、仕掛け…様々な楽しみ方が出来る冬に読みたい定番絵本。
先がどうなってしまうのか思わず考えたくなるようなドキドキの展開、「ナイショ」という言葉を繰り返す事で作品の雰囲気を作り出す言葉、丁寧な描写、子どもの気持ちを離さない適度な仕掛けなどなど、絵本の良さがぎゅっと詰まったような作品。
また、それぞれが適度に散りばめられているのであまり刺激的でもなく、過度に子どもの気持ちを高揚させるような事もない点も素晴らしいです。
おすすめの年齢は3歳児と書きましたが、実際に読み聞かせをすると幅広い年齢で楽しむ事ができます。1歳児でも仕掛けの部分や生き物が登場する場面で喜んだり、5歳児であっても雰囲気や仕掛けを十分に楽しめています。反応も非常にいい作品の1つで読むたびに声を上げながら楽しんでいるのも印象的。
冬の雰囲気を存分に味わいながら視覚、聴覚、触覚でも楽しめる冬に一度は読みたいおすすめ絵本です。





記事を書く励みになります。ポチっとお願いします!