【3,4歳おすすめ】つきよのキャベツくん【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「つきよのキャベツくん」は私が会話の楽しさを感じて欲しい””月の満ち欠けに興味を持って欲しい””というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
作品紹介
「つきよのキャベツくん」はこんな絵本!
「つきよのキャベツくん」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「つきよのキャベツくん」を簡単にまとめてみました。
- 楽しい世界観のキャベツくんシリーズの第5弾
- 会話を楽しみ、会話の面白さに気付くことができる
- 月に関心を向け、月の満ち欠けに疑問を持つ
まるわかりQ&A
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あらすじ・ストーリー・内容
独特な雰囲気での会話が面白い!個性たっぷりの絵本。
キャベツくんが歩いているとブタヤマさんがやってきました。でも、よく見るとブタヤマさんではなく豚のような鼻がついているトンカツでした!
いい匂いに誘われてブタヤマさんもやってきました。自分に似たトンカツを見てブタヤマさんは震えています。
少しだけ食べてみようとしましたがブタヤマさんは「トンカツにはソースないとだめです」と言うと、遠くの方からトンカツ・ソースが走ってきました。トンカツ・ソースはトンカツにソースを掛けると帰ってしまいました。
夜になり空を見上げると三日月が出ています。すると、月がトンカツをパクリと食べてしまったのです!トンカツを食べた月はまん丸になりました。
長 新太さんの世界観たっぷりの楽しい一冊。
こんな方におすすめ
- 会話の楽しさが感じられる絵本を探している
- 月・自然現象の不思議が感じられる絵本を探している
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「つきよのキャベツくん」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
月に兎がいる理由がわかる「つきのうさぎ」
自ら犠牲になってまで人を助ける意味、尊さ、疑問を感じられる絵本。月に兎がいる理由にも繋がっており、教養としての一面も大きいです。
悲しいけれど、強いメッセージが込められた一冊です。
会話・言葉のテンポが楽しめる「ぐりとぐら」
ぐりとぐらシリーズの第一弾。森で見つけた大きな卵が何なのか、またどのような料理をするのか、二匹のアイデアや言葉のやり取りが楽しく、ぐっと絵本の世界に引き込まれる名作です。
会話の楽しさに気付くこともできる一冊です。
目的・ねらい
- 会話の楽しさを感じ、話してみようとする
- 月に関心を示し、関連する事象に興味を持つ
目的・ねらい1
4人の織り成す会話・やり取りが魅力的!
キャベツくん、ブタヤマさん、トンカツ、ソースの4人のやり取りが多く、会話を中心にストーリーが展開していきます。
ふざけているわけではありませんが、素朴な会話ながらもどことなく面白い雰囲気があり、会話の魅力が詰まっています。そんなやり取りを見ていると「話すのって楽しそう」と感じる事ができるでしょう。
「つきよのキャベツくん」に限らずキャベツくんシリーズはワードセンスが溢れているので、言葉の楽しさを知るのにもぴったりな作品となっています。
目的・ねらい2
描写は少ないものの月への疑問が浮かび上がります。
月に関する描写は最後の数ページのみにしか出てきませんが、月の満ち欠けに気付いたり、また満ち欠けがどうして起こるのかを考えさせられる構成となっています。
三日月を見て「おなかがすいているみたい」という解釈がとても素敵で、トンカツを食べた後に満月になっているのがまた面白いポイントです。
その描写を見る事で月自体に興味を持つ事ができたり、また月に関連して宇宙やその他の自然現象について関心を示すきっかけとなり得るでしょう。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 3,4歳児、特に4歳児 |
季節 | 一年中、秋など |
行事 | お月見など |
対象年齢
4歳児頃がおすすめです。
どこかユーモアを含んだ会話や月の満ち欠けを理解するのは1歳児前後では難しいので、3歳児以降、特に知的好奇心が増す4歳児頃に読むことで、ユーモアを感じる事ができたり、自然現象にも興味を持つ可能性が高まります。
展開が面白く幅広い年齢が楽しめるので、異年齢児が集まった時に読むのもいいでしょう。
時期・季節・行事
身の回りの事象の理由を知りたい欲求が出てきた頃がいいでしょう。
月の満ち欠けという点に着目すると自然現象などに疑問を感じたり、それらを知りたいと感じ始めた頃に読むことで「つきよのキャベツくん」の面白さも100%感じる事ができるようになります。
会話の面白さに着目するなら、自ら積極的に話し始めた時期に読むのもおすすめです。
季節や行事的な描写はありませんが、月に関連するストーリーなのでお月見と関連させて秋に読むのもいいでしょう。
読み聞かせのポイント
- キャラクターに思い切りなりきりましょう
- 落ち着いた雰囲気で少しゆったり読みましょう
ポイント1
キャラクターの設定を決めて読むと楽しさ倍増増!
作品全体を通してコミカルな感じがあるので思い切りキャラクターを演じる事で、「つきよのキャベツくん」の面白さをより引き出すことができます。
個人的にはキャベツくんはどこか落ち着いてしっかりもの、ブタヤマさんは落ち着きがなく天然、トンカツは大胆、ソースは謎めいたキャラという設定を意識して読んで、思い切り声を変えて読むようにしています。
演じ分ける事で会話の面白さも引き立つのでおすすめです。
ポイント2
クスっと笑えるぐらいの雰囲気作り!
面白い内容ではあるものの背景が暗く落ち着いた静かな雰囲気もあるので、その雰囲気を壊さないようにも注意しましょう。
ポイント1で書いたようにキャラクターはしっかり演じつつ、その他の部分は静かにゆっくりと読むようにすることで、全体の雰囲気を壊しませんし、会話部分のメリハリを出すことができます。
目指すのは大笑いではなく、クスっと笑えるぐらいのイメージで読むといいでしょう。
まとめ・Ryuの感想
さりげなく月への関心が向けられるのが良い!
キャベツくんシリーズの素敵な世界観はそのままに、そこへ月に関連する事をうまく絡ませている点が素敵な作品です。
読み聞かせをする時には、「へんなの!」と言ったり、クスクスと笑うような様子が見られ、会話や描写の面白さを楽しんでいることが感じられました。
また、月の満ち欠けに関して「月のお腹が空いているから」という解釈が個人的に気に入っていて、「つきよのキャベツくん」を読んだ後、月を見た子どもが「今日はお月様お腹空いているね」と言っていました。
面白いのは勿論ですが、さりげなく月に目を向けるきっかけを作ってくれる作品です。
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