【4,5歳児おすすめ絵本】だめだめすいか【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「だめだめすいか」は私が”夏を感じ、夏を楽しみにしたり、もっと好きになって欲しい””登場人物の思いや行動に至った理由を想像して欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 夏らしさや夏の良さを感じる
- 責任感に共感し、自分だったらどうするかを考える
- 優しさや行動に移す大切さを知る
作品紹介
作・絵 | 白土 あつこ |
出版社 | ひさかたチャイルド |
発行日 | 2007 | /6
値段 | ¥1320 |
大きさ・ページ数 | 25×25cm | /24P
「だめだめすいか」はこんな絵本!
「だめだめすいか」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「だめだめすいか」を簡単にまとめてみました。
- 夏の雰囲気がたっぷり味わえる
- 温かい雰囲気の中でも責任について考えさせられる内容
- 優しさや思いやりの心地良さが感じられるやり取りが魅力的
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
夏らしさと優しさが詰まった作品です。
たっくんのお家にすいかが届きました。お母さんにすいかを食べていいか聞くと「じいじにあげるのよ」と言われます。そこでたっくんはすいかをじいじの家に届ける事にしました。
重いすいかを持ちながらカンカン照りの山道を歩いていきます。すると茂みの中から「すいかだ。いいないいな」と声がします。すると茂みから狸が出てきました。
狸はすいか割りをしたことがあるのか、種飛ばしをしたことが、すいかちょうちんを作ってジュースを飲んだことがあるのかなど質問をします。どれも楽しそうでたっくんはやりたくなりますが、「じいじのすいか!」と言って誘惑を振り切ります。
駆け足でじいじのお家に着いたたっくんはじいじと一緒にすいかを食べようとしますが、ふと狸のことを思い出します。そこでたっくんはすいかを二つ持って来た道を戻りました。
そしてたっくんと狸は一緒にすいかを食べながら種飛ばしの事や種からすいかが出てきたらすいか割りをすることを話し、にっこりと笑い合いました。
責任や葛藤、優しさなど、ストーリーを通じて様々な思いが感じらる一冊です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「だめだめすいか」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 夏に楽しめる幼児向けのストーリーを探している
- 展開を楽しむ中で責任や思いやりなどのメッセージを感じられる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「だめだめすいか」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
楽しい展開と共にスイカに興味が持てる「すいかのたね」
「ばばばあちゃんのおはなしシリーズ」の1つで、動物たちやばばばあちゃんとすいかの種とのやり取りが楽しめる作品。前半は繰り返しが楽しい落ち着いた展開からの後半は怒涛の展開があり、ストーリーに引き込まれます。
笑いもあり、怒涛の展開が楽しみたい時はこちらをおすすめ。
友だちとは何かを考えさせられる「ともだちや」
「おれたち、ともだち」シリーズ第一弾。時間単位で友だちになる”友だち屋”を始めたきつねが狼との出会いによって本当の友だちとは何かに気付くお話し。キャラクター同士の会話のやり取りや狼の何気ない温かさなど、人間関係の土台になる事が分かる温かい作品です。
友だちや人間関係によりフォーカスした作品を探している時にはこちらをおすすめ。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 夏ならではの楽しさを知り、夏に希望や期待を持つ
- 責任感や思いやりを持つ事の大切さを感じる
目的・ねらい1
夏らしさ全開の描写が楽しめます。
「だめだめ すいか」はストーリーの内容の良さは勿論、夏が感じられる雰囲気も大きな魅力の1つ。
スイカや青々とした空、カンカン照りの太陽など、夏と言ったらついついイメージしてしまうモノが沢山描かれていて、本作を見ている人をぐっと夏を感じさせてくれます。
そんな雰囲気の中で狸がすいか割りや種飛ばし、すいかのちょうちん作りなど楽しそうなことを提案します。夏が楽しみになる、夏がもっと好きになること間違いなしです。
目的・ねらい2
主人公と狸のやり取りの中に大切なメッセージが隠れています。
「だめだめ すいか」の中で最も盛り上がる所は主人公のたっくんと狸とのやり取り。すいかが食べたい狸の誘惑にたっくんは勝ち、じいじにすいかを渡す事ができます。そんなやり取りの中でたっくんの中にある責任感や責任を果たす大切さを感じる事ができます。
また、最後にはカンカン照りの中で待っているであろう狸の事を思いやりすいかを分けに行くたっくんが描かれており、そこでは相手を思いやる大切さや優しさの重要性が感じられます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に4歳児 |
季節 | 夏 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
4,5歳児頃におすすめです。
そこまで長いストーリーではありませんが、文の量や内容などを考えると幼児期後期の4,5歳児に読むことで内容が深く伝わるでしょう。
責任や思いやりを感じたり、理解することはとても難しいこと。心が十分に成長することが予想される年齢に合わせて読むことをおすすめします。
時期・季節・行事
他者を思いやる気持ちが生活の中で見られた頃がおすすめです。
「だめだめ すいか」の中で主人公のたっくんが最後、狸の事を考えてすいかを持っていくシーンがあります。その場面でのたっくんを動かしたのは思いやりの気持ちだという事が読み取れます。
しかし、他者の気持ちを想像することがまだ難しい時期の子にとってはたっくんが動いた理由を理解するのは難しいでしょう。生活の中で他者を思いやる言動が見られた頃に読むことでたっくんの行動した理由もそれとなく感じる事ができます。
夏を舞台にしたストーリーなので、季節は夏。行事との関連性はないので夏を通して楽しめる作品です。
読み聞かせのポイント
「だめだめすいか」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 声を使い分けて会話らしさを演出しましょう
- 教訓やメッセージ性を強めないよう配慮しましょう
ポイント1
たっくんと狸の言葉のやり取りが見せ場の1つ!
本作の文は会話も多く取り入れられています。特にたっくんと狸の言葉のやり取りが多く、会話の楽しさが感じられる文構成になっています。
そんな二人の言葉のやり取りがより楽しく感じられるようにたっくんと狸の声を使い分けて読む事をおすすめします。大げさに声を使い分けるとストーリーの妨げになりかねないので多少意識する程度で大丈夫です。
声を使い分けて読むことで実際の会話のような楽しさが味わえ、会話そのものの楽しさも感じる事ができるでしょう。
ポイント2
ストーリーを楽しむ事が第一!
「だめだめ すいか」には、責任を持つ大切さや他者を思いやる大切さ・心地良さなどがストーリーの中で感じられるようになっています。
しかし、そのようなメッセージを押し付けてしまってはせっかくの作品の良さが薄れてしまいかねません。読み聞かせの後に「やるべきことはしっかりやらなきゃね」「優しくしないとだめだね」といった大人目線のメッセージを伝えるのは避けましょう。
ストーリーを楽しむ中で何かしらのメッセージを感じてくれたらそれで良いのです。
まとめ・Ryuの感想
夏には外せない!幼児期の夏に一度は読みたい一冊です。
個人的に内容も絵のタッチもとても好きな作品の1つ。夏らしさも作品を通して感じる事ができ、夏になったら毎年必ず一度は読む絵本です。
特にたっくんと狸の会話の中ですいかを使った楽しい事を二人で思い浮かべているシーンでは楽しさを、最後のたっくんが狸にすいかを持っていくシーンでは温かさを感じる事ができます。
実際に読み聞かせをしている時も二人ですいかを使った楽しい事を想像しているシーンは「うわーっ!」「楽しそう!」といったような事を言いながら作品に夢中になっています。読み終えた後には「すいか食べたくなっちゃったよ」なんて声も。
夏を感じつつストーリーを楽しめるだけでなく、責任や思いやりの大切さが自然と感じられる夏に外せない作品です。
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