【5歳児おすすめ絵本】どんなきもち?【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「どんなきもち?」は私が”様々な気持ちを想像して、相手の気持ちを考えて欲しい””自分の気持ちと向き合い、言葉にする心地良さを感じて欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 様々な気持ちがあり、その全てに理由があることを感じる
- 色々な立場になった時の気持ちを想像しようとする
- 自分の気持ちや感情を知り、声に出して伝えようとする
作品紹介
「どんなきもち?」はこんな絵本!
「どんなきもち?」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「どんなきもち?」を簡単にまとめてみました。
- 「気持ち」というテーマに特化した珍しい絵本
- 相手の立場に立ってその時の気持ちを考える経験ができる
- 自分の中の様々な気持ちを知り、気持ちを表現する大切さが感じられる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
色んな立場・気持ちになって考えることができる絵本です。
気持ちって何だろう。絵本の中で様々な質問を通してどんな気持ちになったのかを伝えてみます。
まずは「犬になったらどんな気持ち?」散歩をしたり、ボールで遊んだり、ご飯を食べたりしている絵と共に尋ねます。次は空を飛んでいる鳥の絵と共に「鳥になったらどんな気持ち?」
小さくなったら?大きくなったら?椅子になったら?バスになったら、叱られたら、褒められたら…どんな気持ちになるだろう。喧嘩した時、喧嘩を見た時、玩具が壊れた時、ペットが死んでしまった時にはどんな気持ちになる?
気持ちを伝えるのは中々難しい。そんな気持ちをどのように伝えたらいいんだろう。「仲間外れにされたら辛い」「一人で遊ぶのは寂しい」とかかな。
様々な気持ちになる時には必ず理由がある。その理由を伝えれば気持ちも伝わりやすい。色々な気持ちがあります。気持ちって面白い!もっともっと自分の気持ちを言ってみよう。
自分の気持ちに向き合うきっかけにもなる作品です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「どんなきもち?」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 相手の視点に立って物事を考えるきっかけになる絵本を探している
- 自分の気持ちを声に出したり、表現する良さが感じれる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「どんなきもち?」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
共有する良さが感じられる絵本「そらまめくんのベッド」
そら豆くん自慢のベッドはふかふかで寝心地が最高。だけど、他の豆たちには絶対に貸しません。そんなある日ベッドが無くなったことをきっかけに共有する楽しさを理解するお話です。玩具の貸し借りで悩んでいる時に読みたい一冊。
ストーリーを楽しむ中で相手の思いに気付けるきっかけになる絵本を探している時にはこちらをおすすめ。
自身を重ねる事で嘘について考えられる「あのね」
ある日森の中で赤い車をコッソリ拾って持ち帰ったチッチ。でもそれは友だちのトービーのものでした。嘘をついて隠そうとしますが、自身の胸の痛みに気付き本当の事を打ち明けるストーリー。思わず自分が嘘をついた時の事を思い出してしまう絵本。
嘘というテーマを通して自分の気持ちに向き合える絵本を探している時におすすめの一冊。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 相手の立場になって物事を考えてみようとする
- 自分の感じた事、気持ちを周りに伝えてみようとする
目的・ねらい1
自分ではない視点に立つ楽しさが感じられます。
「どんなきもち?」には犬や鳥、椅子など人間以外のモノになった時の事を想像する場面や小さくなった時、叱られた時、喧嘩をした時などの気持ちを想像する場面が多々登場します。
人間以外のモノになった事を考える中で想像する楽しさが味わえたり、これまで考えた事がないような視点から物語を捉えたりできます。また、様々な場面に応じた気持ちを考える中で客観的に気持ちの動きを考えるきっかけになります。
様々な気持ちの動きを知る事で相手の気持ちを考えるきっかけや練習になり、思いやりの気持ちなどが育まれていきます。
目的・ねらい2
伝えることの大切さもしっかり伝えてくれています。
前半や中盤までは様々なモノや色々な場面の気持ちを考える構成となっていますが、後半はその気持ちを言葉にして伝えることの大切さが感じられる文字や描写が書かれています。
くじが当たった時、美味しいものを食べた時、育てた花が咲いた時、ありがとうと言われた時…様々な場面でどのような気持ちになるのかだけでなく、どのような事を言うのかを考えさせられます。
最後のページには「もっともっと自分の気持ちを言ってみよう」と書かれています。思うだけでなく、伝えることが大切であるというメッセージを感じる事ができます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に5歳児 |
季節 | 一年中 |
行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
5歳児がおすすめです。
全体を通して様々な場面を想像して、その時の気持ちも想像することで楽しさが感じられる作品となっています。
自分ではないモノの気持ちを考えたり、自分以外の視点に立つという事は非常に難しいことであり、自分の気持ちを認識する時期である乳児期の子は楽しむのが難しいでしょう。
人の気持ちに気付けたり、考えられるようになる4歳児以降、特に5歳児に読むことで様々な場面・視点での気持ちを楽しむことができます。
時期・季節・行事
相手の気持ちに気付き始めた時期がおすすめです。
「どんなきもち?」は、自分の気持ちに向き合うだけでなく、様々な立場・視点に立ってその時の気持ちを考える楽しさが味わえる作品です。
なので、友だちや身近な大人との関わりの中で相手の気持ちに気付いていそうな発言「〇〇されたら悲しいと思う」などを言うようになった時に合わせて読むことで、視野が更に広がり相手の気持ちにより寄り添えるようになるきっかけになるでしょう。
人の気持ちに関連する事がメインの作品なので季節や行事との関連性はなく、一年を通して子どもの成長に合わせながら読む事ができます。
読み聞かせのポイント
「どんなきもち?」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 聞き手とのやり取りを楽しみながら読みましょう
- 読み手の価値観を押し付けることがないように気を付けましょう
ポイント1
参加型絵本のような感覚で読むと楽しめます。
各ページの語尾には「どんな気持ち?」と、聞き手に尋ねるような言葉が書かれています。質問をされた聞き手は自分の考えを伝えることが予想されるので、返ってきた反応をしっかり受け取って反応し返したりしながら読み進めると楽しみながらも気付きが生まれます。
また、「どんな気持ち?」と読んだ後にすぐに次のページに行くことなく、聞き手が考えられる時間を空けることを意識するとぐっと読み易くなります。
ポイント2
考えは人それぞれあることは忘れないようにする。
自分の気持ちや相手の気持ちについて自分なりの答えを見つけていく作品なので、思いつく事も想像する事も人それぞれ違います。
例えば「喧嘩をした時には悲しい思いを感じて欲しい」と読み手が心の中で思いながら読むのは良いのですが、それを聞き手に伝えてしまっては聞き手はそれが正解のように感じてしまい自分で考える幅が狭まってしまいます。
正解や答えはなく、聞き手の自由な発想や考えを受け止めるつもりで読むことをおすすめします。
まとめ・Ryuの感想
相手の立場になって考える。人間関係において必須な考えが育まれます。
子どもが成長していく中で、多くの友だちや他者と関わることは避けては通れない道。そんな人間関係の中で特に大切な相手を思いやったり、相手の気持ちを想像するという行為を分かりやすく伝えてくれている絵本です。
人間関係や思いやりに関する絵本と聞くとどこか固そうな印象を抱いてしまいますが、そんなことはなく、「どんな気持ち?」と質問をする文構成やゆるいタッチ絵で人間などが描かれているのでリラックスしながら楽しむことができます。
読み聞かせをする時も子どもと一緒に様々な場面での気持ちを考えることを楽しむことができ、決して押しつけがましくなったり、教育の要素が強くなることはありませんでした。寧ろ、様々な場面を想像する楽しさが味わえるので盛り上がりすらあるぐらいです。
楽しい内容でありながらもしっかりと人間関係においての大切な要素が詰まっている作品になっています。
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