【自分自身を考えるきっかけになる】おなかのなかにおにがいる【現役保育士がレビュー】

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【3,4歳児おすすめ絵本】おなかのなかにおにがいる【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

Ryu

「おなかのなかにおにがいる」は私が”節分に行う事や行う意味を知って欲しい””自分の中にいる鬼を想像し、楽しみながら自分と向き合って欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。

「おなかのなかにおにがいる」を通じて目指す子どもの姿
  • 節分に行う事を知り、興味を持つ
  • 自分の良くないと思う所を考える
  • 想像する楽しさを感じる

目次

作品紹介 

小沢 孝子
西村 達馬
出版社ひさかたチャイルド
発行日1982/12
値段¥1100
大きさ・ページ数22×20cm/40P

「おなかのなかにおにがいる」はこんな絵本!

「おなかのなかにおにがいる」ってどんな内容の絵本?

 そんな疑問にお答えするために「おなかのなかにおにがいる」を簡単にまとめてみました。

  1. 自分のお腹の中に鬼がいる設定が楽しい節分絵本
  2. 鬼や豆まきなど節分の土台となる情報を知る事ができる
  3. 自分がどんな人なのかを考えるきっかけになる

まるわかりQ&A

「おなかのなかにおにがいる」を一言で表すと?

自分と向き合い、想像しながら楽しめる節分絵本!

子どもの反応は?

鬼の姿に笑ったり驚きながら展開を楽しむ!

ずばり何歳向け?

3歳児向け!

どんな人は買い?

子ども自身が自分の事を考えるきっかけとなる節分の絵本を探している人!

あらすじ・ストーリー・内容

自分のお腹にはどんな鬼がいるんだろう、そんな事を考えてしまう絵本です。

 今日は鬼は外、福は内の日。そう、豆まきの日です。皆で鬼のお面を作っています。皆は鬼のお面を好きな色で塗り、あっちゃんは空色で鬼を塗っています。だって、あっちゃんのお腹の中には空色の鬼がいるのです。

 あっちゃんのお腹の中を見てみると鬼が寝そべっています。いつも寝そべっているめんどくさがり屋の鬼なのです。あっちゃんも途中で色塗りを止めてごろん。これは鬼のせいなのです。

 ふうちゃんは黄色い鬼。黄色い鬼は食いしん坊。大人しくて親切ななつこちゃんのお腹にも鬼はいます。桃色の鬼。だけど弱虫みたいな鬼。

 なつこちゃんが塗った鬼をへそ曲がりで暴れん坊のごろちゃんが赤に塗ってしまいました!ごろちゃんは皆のお面も真っ赤に塗ってしまいます。そしてお腹の中には真っ赤なへそ曲がりな鬼が住んでいます。

 先生が炒りたての豆を持ってきて、皆はお面を壁に掛けて豆まきをします。「鬼は外!寝っ転がりの鬼は外!」「鬼は外!食いしん坊の鬼は外!」と言って豆を投げると、皆のお腹の中にいた鬼は「たまらん!」と言って外に出てきました。

 ところが鬼なんかちっとも怖くないと言うごろちゃんは「鬼は内!」と言って豆を食べてしまいます。すると鬼はどんどんごろちゃんのお腹の中に入っていき、たちまちお腹は鬼でパンパン!もし誰か鬼を貰ってくれる人がいたらすぐに取りに行ってあげて下さい。

 ユーモア溢れる展開で想像するのが楽しくなる一冊です。

こんな方におすすめ

以下の項目に当てはまる方に「おなかのなかにおにがいる」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。

  1. 個性あふれる様々な鬼が登場する昔ながらの節分絵本を探している
  2. 自分がどんな人なのかを考え、想像が膨らむ絵本を探している

絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!

「おなかのなかにおにがいる」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!

楽しみながら節分を深く知る事ができる「せつぶんワイワイまめまきの日!」

赤鬼と一緒に鬼になり、悪い鬼を倒すお話し。ポップな絵で展開も怖くなく、鬼にも親しみが感じられる工夫がされています。何より節分の由来や豆の意味、恵方巻、豆の作り方、鬼のお面の作り方等節分に関する知識が盛りだくさんの絵本です。

 ストーリーと共に節分の理解を深めたい時におすすめの一冊。

自分の中の事に興味が持てる「おなかのこびと」

お腹の中に小人がいて、食べた物によって小人や体にどんな影響があるのかが描かれている絵本。子どもが笑ってしまう描写も多数あり、楽しみながら人体や食べ物の栄養について学ぶことができます。

自分のお腹の中で起こっている事を考えるのが楽しくなる一冊。

目的・ねらい

絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。

  1. 節分の雰囲気や豆をまく意味を感じ、興味を持つ
  2. 自分の中にいる鬼を想像し、自分がどんな人なのかを考えようとする

目的・ねらい1 

鬼と豆まき。必要最低限の情報がすんなり入ってきます。

 「おなかのなかにおにがいる」は節分に関する知識や由来を知るというよりも節分の雰囲気を感じながら、節分に興味を抱くきっかけになる絵本です。

 特に何故豆をまくのかという子どもの疑問に、お腹の中にいる鬼を追い出す描写を取り入れる事でしっかりと答えている内容であるため、子どもも納得をしながら豆まきをすることができるようになります。

 情報量も多くなくシンプルに節分の内容が伝わるのもきっかけ作りに最適です。

目的・ねらい2  

自分自身の事を考える貴重な経験が得られます。

 大人であっても自分自身の事を深く考える事はあまりしません。子どもにとっても自身の事を考える経験は中々ありませんし、もしかしたら一度も経験したことがない可能性もあります。

 自身の事を客観的に考えるのはそれほど難しい事ですし、考えようと思わない限り考えません。しかし「おなかのなかにおにがいる」の各々のお腹の中に鬼がいる描写を見る事で「自分にはどんな鬼がいるんだろう?」と、考えるきっかけが生まれます。

 自分がどんな人間なのか、自分の良い所はどんな所なのか、また良くない所はどこなのかなどを考え、自分に向き合う事に繋がるでしょう。

チェックポイント

現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。

年齢幼児期、特に3歳児
季節
行事節分

対象年齢

3歳児以降がおすすめです。

 文字数やお腹の中に鬼がいるという想像をすることで更に楽しめる内容、自分の事を考える体験などを考慮すると想像力や思考力が育まれていることが予想される3歳児以降に読むことで面白さを深く感じる事ができるでしょう。

 鬼も怖くなく、色とりどりのユーモア溢れる鬼が登場するので2歳児に読んでも怖がることなく、鬼に親しみを持つきっかけにはなり得る作品です。

時期・季節・行事

自身と他者の区別がハッキリと理解できた頃がおすすめです。

 自身と他者が違う事に気付くのがおおよそ2歳頃と言われています。そして、ハッキリと理解できるのはそれ以降が一般的です。

 自身と他者の違いをハッキリと理解することで自分がどのような人・存在なのかを考える事が出来るようにり、自身についての考えも深まります。自分の中にどんな鬼がいるのかを考えるのも他者との違いを理解した後に鮮明になってくるでしょう。

 節分をテーマにした作品なので季節は冬、行事は節分の前や当日に読むことをおすすめします。

読み聞かせのポイント

「おなかのなかにおにがいる」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。

  1. 感情を表現しながら読みましょう
  2. 怖がらせずに読みましょう

ポイント1  

感情の動きが多く登場する展開なので感情を理解して読む!

 「おなかのなかにおにがいる」は登場人物やキャラクターの喜怒哀楽が作中を通して表現されています。感情の動きを見る事で聞き手が「この人は今こんな気持ちなのかな?」と考えるきっかけになり、実際に人と関わる時にも相手の気持ちを考える事に繋がります。

 登場人物も複数名いるものの声色を分けるという意識よりも各々の感情を読み取り、言葉に感情を込めて読むことで聞き手が登場人物の感情を考えるきっかけを作る事ができます。

ポイント2

節分は怖がらせるための行事ではありません。

 「おなかのなかにおにがいる」を読むときには怖い雰囲気を作ったり、ドキドキするような展開を演じる必要はありません。

 確かに複数の鬼が出てはきますがお腹の中にいるという設定でどこか面白味がありますし、鬼も怖さを打ち出した描かれ方はしていません。寧ろ聞き手がお腹の中にいる鬼を想像できるような、どこか楽し気のある雰囲気を作って読むのに適しています。

 絵本の内容やメッセージを読み手がまずはしっかりと読み取り、適切な雰囲気、読み方を考えましょう。

まとめ・Ryuの感想

自分と相手を分析できる節分絵本!

分かり易く楽しい展開、節分に行う事をストーリーの中で理解できる、鬼について考え親しみを持てる…などなど、魅力がいっぱいの「おなかのなかにおにがいる」ですが、本作を読む事で節分や鬼に親しみが持てるだけでなくこれまで見えてこなかったものが見えてくる作品になっています。

自分の中にどんな鬼がいるのかを考える中で、自分の良い点や良くないと思っている点、また他者にもどんな鬼がいるのかを考える中で他者の事を深く考えるきっかけになる内容です。

実際に読み聞かせをすると、読んだ後の反応が面白く多くの子は自分のお腹の中にどんな鬼がいるのかを考えます。また、そこで話を広げると読み手のお腹には何鬼がいるのかなどの考えがポンポン思い浮かんできます。

他者について考える時には不思議とプラスの面に目を向ける事が多く「100まで数えられる鬼」「力持ち鬼」といった鬼を考えるケースが多くありました。

豆まきや鬼など節分らしさも味わいながら他にも人間関係や自己分析など様々な事が学べる一冊となっています。

Ryu

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