【4,5歳児おすすめ絵本】開運えほん【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「開運えほん」は私が”ストーリーを楽しみながらお正月の理解が深まって欲しい””お正月に関連するモノを知り、お正月の訪れを楽しみにして欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- お正月に前向きなイメージを持ち、楽しみにする
- お正月に関連するモノや行事を深く知る
- 日本の伝統行事・文化に親しみを感じる
作品紹介
「開運えほん」はこんな絵本!
「開運えほん」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「開運えほん」を簡単にまとめてみました。
- お正月に関する物事や知識が詰まっている絵本
- ストーリーに沿って楽しくお正月に詳しくなれる
- 丁寧な描写が魅力的で絵も楽しめる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
お正月の全てが詰まっている一冊。
はなちゃんは玄関に飾ってある飾りに気付き、おばあちゃんに尋ねます。おばあちゃんは飾ってあるものは門松であること、そして飾る理由は年神様への目印になる事や年神様が下さる力で困る事がないようにしてくれる事を教えてくれました。
家の中に入ると年神様へ鏡餅の飾り付けをしました。鏡餅の他にもだるまやしめ縄、破魔矢、招き猫…などなど様々な縁起のいいものを飾り付けます。
そしての除夜の鐘が鳴る大みそかの夜年神様がはなちゃんの家へやってきました。年神様はどうやらはなちゃんにしか見えていないようです。1月1日、元旦を迎えるとお年玉をもらい、家族でおせちやお雑煮を食べました。おせち料理の中身や日本全国のお雑煮も年神様が教えてくれます。
お雑煮を食べた後は初詣に出かけます。神社には開運アイテムがいっぱい。お守り、おみくじ、破魔矢、七福神、だるま…開運アイテムを買い、一富士二鷹三茄子の初夢の話をしていると突然辺りが真っ暗になりました。
人喰い鬼、ろくろ首、貧乏神、化け猫が現れ良い一年にさせないと言い、はなちゃんは捕まえられてしまいます。ですが、年神様がしめ縄を投げつけすぐに化け物を追い払ってしまいました。
化け物が去った後は凧あげ、羽根つき、獅子舞、福笑いなどお正月の遊びを満喫。あっという間にお正月の最後の日。七草粥を食べ元気になったはなちゃんは幼稚園で喧嘩をしていたお友だちとも仲直りできました。1月15日にはどんど焼きをし、年神様ともお別れしました。
お正月の博士になれるような、知識がいっぱいの絵本です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「開運えほん」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 4,5歳児が十分に楽しめるお正月に関する絵本を探している
- お正月に関する深い知識や伝統的な文化を知る事ができる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「開運えほん」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
ゆる~い雰囲気で笑ってお正月を迎えられる「おしょうがつのかみさま」
動物たちの家に神様がやってきてゆったりとお正月を迎える絵本。ゆったりとしたお正月らしい雰囲気を味わいながらキャラクター同士のやり取りや言葉の面白さが味わえます。凧あげやお餅などお正月に関連する知識も自然と触れられる一冊。
笑いながらお正月に触れたい時に読みたい絵本です。
十二支の由来が楽しくわかる「十二支のはじまり」
どのようにして十二支の順番が決まったのかが分かりやすく描かれたストーリー。昔話ながらもいもとようこさんの優しいタッチで子どもも親しみやすく描かれています。楽しみながら知識が身につく絵本です。
様々な生き物が登場するので親しみやすく、お正月を知るきっかけにぴったりな一冊。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。
以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- ストーリーを楽しみながらお正月の雰囲気を感じ、お正月の訪れを楽しみにする
- お正月に関連するものを知り、知的好奇心を満たしながら深い興味を持つ
目的・ねらい1
お正月が楽しみになる展開と描写がたくさん!
「開運えほん」には彩り豊かなおせち、初詣に行き見慣れない様々なモノ、凧あげ、獅子舞、福笑いなどなどお正月が楽しみになるような描写がストーリーに沿って多く描かれています。
そしてその雰囲気はまさに日本のお正月といった雰囲気で、家族そろってゆったりと過ごす様子がお正月のイメージを膨らませてくれます。日本の伝統的なお正月遊びや家族でゆったりと過ごす様子を見てお正月が楽しみになるでしょう。
目的・ねらい2
子どもの「もっと知りたい」を引き出してくれます。
「開運えほん」には、お正月に関連するモノが多く描かれており、そのそれぞれに丁寧な説明がされているのでお正月のことを深く知り、知識が身に付きます。
しかし、知識だけを羅列して押し付けがましい展開になることはなく、ストーリーの展開を楽しみながらも自然とお正月に関連するものに触れられる工夫がされています。
たくさんの知識が詰まっているので何回も繰り返し読む中でどんどんお正月に詳しくなることが実感でき、子どもが元々持っている知的好奇心を満たしてくれます。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 幼児期、特に5歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | お正月 |
対象年齢
4,5歳児がおすすめです。
「開運えほん」は”お正月”というものをある程度認知していることで更に面白さが増す絵本となっているので、お正月という言葉を知っている子が多いであろう4歳以降に読むといいでしょう。
また、とにかくお正月に関連する情報がたくさん書かれているので、知的好奇心が増したり、物事を更に深く知ろうとする5歳児に読むことで本作の良さを最大限に引き出すことができます。
時期・季節・行事
興味のある事を自分で調べたり、深く知ろうとする姿が見られた頃がおすすめです。
お正月に限らず何か自分が関心のある事に対して質問をする姿が見られたということは知的好奇心が芽生えているという証拠。そこから更に自分で調べるような様子が見られた時に読みたい一冊です。
自分で調べるという姿が見られたということは知識を得る喜びを十分に感じられる状態である事が考えられるので、まだあまり関心を持っていないお正月に関することであっても物事を深く知る事の面白さを感じながら読めるでしょう。
お正月がテーマの絵本なので、季節は冬、行事はお正月なので年末年始に読むことをおすすめします。
読み聞かせのポイント
「開運えほん」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。
読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 子どもの様子見ながらを読む箇所や時間を変えましょう
- 読み手と聞き手が離れすぎないようにしましょう
ポイント1
聞き手が興味を持った所は時間を掛ける。
「開運えほん」はお正月に関する情報が多く描かれています。そして、その情報全てを説明し、目を通すとなると大人であっても後半は集中を維持するのは難しいでしょう。そこで子どもの様子を見ながらしっかり説明する部分とさらっと触れる部分を変えながら読むことをおすすめします。
例えば、聞き手がおせちに興味を示したらそこは時間を掛けて絵を見たり、文字も全て読む。初詣のモノに関してはあまり興味を示していないようだったら少し触れるだけにする。このように大筋のストーリーはしっかりと読みつつ、掘り下げる部分とそうでない部分を子どもの様子を見ながら都度変える事で、最後まで楽しみながら読めるようになります。
ポイント2
細かい所まで届けられるように距離も工夫する。
ストーリーがメインになっている絵本だったら多少読み手と聞き手の距離が離れていても絵本を楽しむ事はできますが、「開運えほん」はストーリーと共に細かい描写なども楽しめる絵本なので離れすぎてしまうと何が描かれているのかがあまり分からず興味も離れて行ってしまいます。
一対一で読む場面では特に問題ありませんが、読み手が15名以上いるような場面では一番後ろにいる聞き手との距離が開きすぎないように工夫しながら読み始めるようにすることをおすすめします。
まとめ・Ryuの感想
図鑑のようにも楽しめる、子どもが一人でもじっくり楽しめる絵本。
クリスマスなどと比べるとお正月は子どもにとってあまり馴染みのない行事・イベントです。ですが、日本の伝統や文化を伝える上で外す事の出来ない重要なイベントの1つ。
そんな”お正月とはなんぞや”という疑問を子どもにも分かりやすく伝えているのが「開運えほん」となります。展開のあるストーリーと共にお正月の雰囲気を感じるだけでなく、関連するモノが細かく丁寧に説明されていることで幼児の知的好奇心にも応える事が出来ます。
お正月に関する情報も過不足なく載っているので複雑すぎない点も素晴らしく、子どもが知識を得る喜びをしっかりと感じられます。子どもの成長段階をよく考えて作られた構成といえるでしょう。
実際に読み聞かせをすると自分の知っているモノがあったら喜んだり、知らないものには驚いたりと「開運えほん」を通じて子どもは様々な発見をしている事が感じられます。
たくさんの情報・知識と工夫が詰まったお正月に4,5歳児へ読みたい一冊です。
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