【2,3歳児おすすめ絵本】クリスマスのおばけ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
「クリスマスのおばけ」は私が”自分の持っている優しさに気付いて欲しい””クリスマスに興味を持って欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 自分の中の思いやりや優しさに気付く
- クリスマスの存在を知る
- おばけに興味を持つ
作品紹介
「クリスマスのおばけ」はこんな絵本!
「クリスマスのおばけ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「クリスマスのおばけ」を簡単にまとめてみました。
- ミリオンセラー作家せなけいこさんのおばけとクリスマスを楽しめる絵本
- 自分の内にある優しさに気付くことができる
- クリスマスに行う事を話に沿って理解する事ができる
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容
人間の子どもにとっては嬉しいクリスマス!でも、おばけにとっては…?
みんなが大好きなクリスマス。その一方でおばけにとってのクリスマスは寂しいもの。
サンタさんもおばけにはプレゼントをくれません。
でも、そんなおばけのことに気付いて優しさをプレゼントしようとする優しい子がいます。
子どもの内なる優しさに目を向けた、心温まる作品です。
こんな方におすすめ
以下の項目に当てはまる方に「クリスマスのおばけ」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- クリスマスに関する絵本を探している
- 子どもに優しさについて考えてもらいたい
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「クリスマスのおばけ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!
仕掛けが想像を引き立てる「まどから・おくりもの」
発行部数140万部を超える五味太郎さんの名作。サンタさんが動物や人の家の窓からプレゼントを入れていきます。次のページが少し見える窓型の仕掛けがシンプルながらも面白く、子どもたちの想像を引き立てます。
乳児期から楽しめるクリスマスに読みたい一冊です。
思いやりの心が育まれる「どうぞのいす」
「どうぞのいす」といううさぎが作った椅子から始まる優しさ溢れるストーリー。どうぞのいすに置いてあるものを動物たちは食べてしまいますが、後の動物の事を考えて代わりのものを置いていくのが繰り返されます。
優しさが紡がれていく名作です。
目的・ねらい
絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 自分の持っている優しさに気付き、共感する
- クリスマスのことを意識し、楽しみにする
目的・ねらい1
おばけにも幸せを分け与える優しさ。それは、子どもが最初から持っているものです。
クリスマスにプレゼントをもらい、おいしいご飯を食べている子が、想像を膨らませておばけのことを考えます。
おばけはきっと寂しい思いをしている、だから色々なものを分け与える。そんな思いはきっと子どもは本来生まれつき持っているものなのだと思います。
この本を通してその思いに共感し、自分の内なる優しさに気付くことができるでしょう。
目的・ねらい2
クリスマスのことを考え、幸せな思いに浸ることができます。
本作の中にはクリスマスに行われるであろうイベント、クリスマスに関連する食べ物も描かれています。
まだクリスマスのことをよく知らない子にとっても、クリスマスがどういったものなのかを知ることができるようになっています。「クリスマスのおばけ」はクリスマスについて知るきっかけになりえるでしょう。
また、もう既に知っている子にとっては、クリスマスのことを思い出して楽しみにする機会となります。
ワクワクしながら待つ、サンタさんのお手紙などを一緒に書く、そんなことのきっかけなどにもいいですね。
チェックポイント
現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
年齢 | 乳幼児期、特に2歳児 |
季節 | 冬 |
行事 | クリスマス |
対象年齢
2,3歳頃からがおすすめです。
クリスマスのことを意識できたり、他者への思いやりについて考えることができるようになるこの年齢がいいでしょう。
思いやりということをテーマにして読むなら3歳児以降が適切な年齢になります。
時期・季節・行事
おばけの存在を認知し、イメージを持った頃がいいでしょう。
おばけの存在を全く知らない状態だと、深く話に入り込めない可能性があります。
おばけに関する絵本などを読み、おばけがどのようなものなのかを事前に認識させてあげましょう。
季節はもちろん冬、クリスマスの前後がいいでしょう。クリスマスプレゼントという形でもいいかもしれませんね。
読み聞かせのポイント
「クリスマスのおばけ」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 登場する女の子の気持ちになって優しく読んでみましょう
- 怖がらせることなく読みましょう
ポイント1
文全体が女の子の語り口調のように構成されているので、女の子の気持ちを考えながら読むといいでしょう。
女の子がおばけのことを不憫に思い、その優しさから様々なものをプレゼントします。
その優しさをくみ取って読むときに、気持ちを言葉に乗せると、聞き手にもその気持ちが届くでしょう。
最後のページにある「あとがき」のところでも作者であるせなけいこさんが、ゆっくり優しく読んでほしい、と書いてあります。
ポイント2
おばけが出てきますが、決して怖がらせることのないように気を付けましょう。
おばけが出てくるからと言って無駄に怖がらせる必要はありません。おばけという不憫な存在から自分の内なる優しさを発見するストーリーです。
本作では、おばけは恐怖の対象として描かれていないので、くれぐれも「いい子にしていないとおばけがきて、サンタさんがこないよ」などと脅し文句を言わないようにしてください。
まとめ・Ryuの感想
一見すると合わないクリスマスとおばけ。でも、そこには温かい思いが込められている作品です。
私も最初読んだときは、「どんな子にもいいことがある」というメッセージ程度にしか考えていませんでしたが、あとがきを見ると、その思いの深さに驚きました。
そして、子どもの本来持っている優しさ、他者に対する思いやりなどを、直接ではないもののしっかりと絵本を通して伝えていることに気付きました。
私も実際に読んだときには、子どもから色々な感想が出てきました。「おばけが怖かった」「プレゼント〇〇にする」、子どもによって様々です。
中には「おばけが温かそうで嬉しそうだった」と、おばけの気持ちを考えた感想も出てきたのを覚えています。
そうした相手を思いやる気持ちに気付かせてくれるのが、「クリスマスのおばけ」です。
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