【現役保育士が解説】イヤイヤ期におすすめの絵本5選|親子がラクになる関わり方も

Ryu

「何を言っても『イヤ!』」「毎日バトルで疲れる…」というお悩み、現場でも本当によく聞きます。これまでたくさんのお子さんと向き合ってきた保育士が、絵本の力と関わり方のコツをお伝えします。

着替えも、ごはんも、お風呂も「イヤ!」。昨日までできていたことも「イヤ!」。イヤイヤ期の毎日は、かわいい反面、大人にとって本当に体力・気力を使いますよね。「私の関わり方が悪いのかな」と、自分を責めてしまう方も少なくありません。

この記事では、毎日2〜3歳児クラスの子どもたちと向き合っている現役保育士の私が、イヤイヤ期に寄り添う絵本5冊と、保育の現場で実際に使っている関わり方のコツをお伝えします。イヤイヤ期は、絵本を味方につけると、少しだけ乗り越えやすくなります。

この記事で分かること
  • イヤイヤ期に絵本が効果的な理由
  • 目的別のイヤイヤ期おすすめ絵本5選
  • 保育士が現場で実践する、イヤイヤ期の関わり方のコツ
目次

イヤイヤ期に絵本が効果的な3つの理由【保育士の視点】

そもそもイヤイヤ期は、自我が育っている大切な成長のサイン。まずは「困った時期」ではなく「育っている証」と捉え直すことが、関わりの第一歩です。そのうえで、絵本には次のような力があります。

①「イヤ」な気持ちを客観的に見られる

絵本の中の主人公が「イヤイヤ」する姿を見ることで、自分の気持ちを一歩引いて眺めるきっかけになります。直接注意するより、絵本を通じて気づく方が、子どもも受け入れやすいことが多いです。

②「わかってもらえた」という安心感につながる

絵本の中で気持ちを代弁してもらえると、子どもは「イヤって思ってもいいんだ」と感じられます。この安心感が、実は気持ちを落ち着かせる一番の近道だったりします。

③大人の気持ちも、少しラクになる

絵本を挟むことで、真正面からのぶつかり合いを避けられる場面が増えます。「今日も絵本に助けてもらおう」と思えるだけで、大人の心の余裕にもつながります。イヤイヤ期は、親子二人三脚。絵本はその心強い味方です。

絵本は「目的」に合わせて選ぶのがコツ

イヤイヤ期の絵本は、どれも同じではありません。「今、何をしてほしいか」に合わせて選ぶと、より効果的に使えます。この記事では、次の3つの目的で紹介します。

絵本の3つの目的
  • 目的1:「イヤ」な気持ちを受け止める・共感する
  • 目的2:笑って気分を切り替える
  • 目的3:「自分でやりたい」気持ちを育てる

目的1:「イヤ」な気持ちを受け止める絵本

まずは、子どもの「イヤ」という気持ちそのものを、否定せずに受け止めてくれる絵本です。

1.『いやだいやだ』

作・絵:せなけいこ/福音館書店

累計130万部を超える、イヤイヤ期絵本の元祖ともいえる一冊。何でも「いやだいやだ」と言うルルちゃんに、お母さんも「いやだ」と返してしまう…というユーモラスな展開で、子ども自身が自分の姿を客観的に眺められます。リズミカルな言い回しも魅力です。

活用ポイント:「イヤイヤ言ってると、みんな『いやだ』って言っちゃうんだって〜」と、軽い調子で会話のきっかけに。

同じ「いやだいやだの絵本」シリーズの『ねないこだれだ』のレビューもどうぞ。

2.『だいじょうぶだいじょうぶ』

作・絵:いとうひろし/講談社

おじいちゃんの「だいじょうぶ、だいじょうぶ」という言葉に包まれて育つ、あたたかい絵本。イヤイヤで不安定な気持ちのときこそ、この安心感のある言葉が心にしみます。読んだあと、大人自身の気持ちも落ち着く一冊です。

活用ポイント:大泣きしたあと、少し落ち着いたタイミングで。抱っこしながら読むのもおすすめ。

目的2:笑って気分を切り替える絵本

イヤイヤの真っ最中は、正論より「笑い」の方が効くことも多いもの。気分転換に使いたい絵本です。

3.『ぞうちゃんのいやいや』

作:三浦太郎/講談社

ぞうちゃんが「いやいや」と首を振ると、いろんな動物に変身してしまう、テンポのよいしかけ絵本。シンプルな展開と可愛らしい絵で、ぐずっていた気持ちがふっと軽くなります。低年齢からでも楽しめます。

活用ポイント:ぐずり始めたら、一緒に「いやいや」と首を振ってみて。切り替えのきっかけに。

4.『おこだでませんように』

作:くすのきしげのり/絵:石井聖岳/小学館

毎日怒られてばかりの男の子が、七夕の短冊に願いを込める物語。「怒られてばかりの自分」の気持ちを、子ども自身も、大人も見つめ直せる一冊です。イヤイヤ期真っ只中の親子にこそ読んでほしい、少し年齢が上でも長く使える名作。

活用ポイント:叱りすぎてしまったな…と感じた日の夜に、親子で一緒に。

目的3:「自分でやりたい」気持ちを育てる絵本

イヤイヤの裏には「自分でやりたい」という気持ちが隠れていることも。その気持ちを大切にする絵本です。

5.『いやいやえん』

作:中川李枝子/絵:大村百合子/福音館書店

やんちゃな子だぬきしげるが主人公の、7つのお話が詰まった児童文学の名作。「わがまま」や「自分の気持ち」を否定せず、そのまま物語として楽しませてくれます。少し長めのお話なので、3歳〜4歳ごろ、耳で聞くお話を楽しめるようになってからがおすすめです。

活用ポイント:1話が短いので、寝る前や落ち着いた時間に少しずつ読み進めても。

絵本と一緒に。保育士が実践するイヤイヤ期の関わり方

絵本はきっかけのひとつ。現場で日々意識している関わり方のコツもあわせて紹介します。

まずは気持ちを言葉にして受け止める

「イヤなんだね」「〇〇したかったんだね」と、否定せずに気持ちを言葉にして返すだけで、子どもは少し落ち着きます。すぐに解決しなくても大丈夫。「わかってもらえた」という実感が何より大切です。

選択肢を渡して「自分で決めた」感覚をつくる

「どっちの靴にする?」のように、小さな選択肢を渡すと、「自分で決めたい」気持ちが満たされ、すんなり進むことがあります。「やる/やらない」ではなく「どっちでやる?」に変えるのがコツです。

大人も「イヤになっていい」

毎回冷静でいる必要はありません。大人がイライラしてしまう日があっても、それは自然なことです。少し離れて深呼吸する、誰かに話す、といった自分自身のケアも、遠回りのようで大切な対処法です。

イヤイヤ期と絵本に関するよくある質問

イヤイヤ期はいつからいつまで続きますか?

1歳半〜2歳ごろに始まり、3〜4歳ごろに少しずつ落ち着いてくるのが一般的な目安です。ただし個人差がとても大きく、始まる時期も終わる時期も子どもによってさまざま。「うちの子だけ長い」と焦らなくて大丈夫です。

絵本を読んでも、その場のイヤイヤは収まりません

絵本は”その場で泣き止ませる魔法”ではなく、日頃から気持ちを育てるためのものです。泣いている真っ最中よりも、少し落ち着いたタイミングや、日常の中でくり返し読むことで、少しずつ効果を発揮します。

イヤイヤがひどく、つい怒ってしまいます

誰にでもあることです。怒ってしまった後は「さっきは怒りすぎたね、ごめんね」と伝え直せば大丈夫。完璧な対応より、その後のフォローの方が、子どもとの信頼関係には大切です。

何歳向けの絵本から読めばいいですか?

『いやだいやだ』『ぞうちゃんのいやいや』はしかけや繰り返しが分かりやすく、1歳後半から。『いやいやえん』のようにお話が長いものは、集中して聞けるようになる3歳ごろからがおすすめです。

まとめ:イヤイヤ期は、絵本と一緒に乗り越えよう

イヤイヤ期の絵本は、「気持ちを受け止める・気分を切り替える・自分でやりたいを育てる」という3つの力で、親子どちらの心もラクにしてくれます。すぐに解決しなくても大丈夫。子どもの「イヤ」に少しずつ寄り添っていく、その積み重ねが必ず力になります。

年齢ごとの絵本の選び方は2歳児のおすすめ絵本も、ねらいの考え方は絵本のねらい一覧|年齢別の考え方と書き方もあわせてどうぞ。

Ryu

イヤイヤ期は、終わってみると「あんなに大変だったのに」と少し愛おしくなる時期でもあります。今日一日、頑張っている自分を、まずは自分でねぎらってあげてくださいね。

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