【4,5歳児おすすめ絵本】スーホの白い馬【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
Ryu「スーホの白い馬」は私が”命の尊さや大切な存在との絆を感じて欲しい“”悲しみや別れに触れ、心を動かす経験をして欲しい“というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 命あるものや大切な存在を、いとおしむ気持ちを持つ
- 悲しみや別れにふれ、登場人物の気持ちに共感する
作品紹介
| 再話 | 大塚勇三 |
| 絵 | 赤羽末吉 |
| 出版社 | 福音館書店 |
| 発行日 | 1967/11 |
| 値段 | ¥1,540(税込) |
| 大きさ・ページ数 | 23×31cm/48P |
「スーホの白い馬」はこんな絵本!
「スーホの白い馬」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「スーホの白い馬」を簡単にまとめてみました。
- 少年スーホと白い馬の深い絆と別れを描いたモンゴルの民話
- 楽器「馬頭琴(ばとうきん)」の由来が語られる、教科書でも有名な名作
- 赤羽末吉さんの横長大判の絵が、モンゴルの大草原を雄大に描く
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


少年と白い馬の絆、そして「馬頭琴」が生まれるまでを描いたモンゴルの民話!
昔、モンゴルの草原に、スーホという貧しいけれどよく働く羊飼いの少年がいました。ある日、スーホは生まれたばかりの白い子馬を連れて帰り、大切に育てます。白馬はだれもが見とれるほど立派に成長し、スーホと白馬は、互いを思い合う深い絆で結ばれていきました。
ある年、殿様が開いた競馬の大会で、白馬は見事に優勝します。ところが、殿様は白馬を力ずくで取り上げてしまいます。白馬はスーホのもとへ帰りたい一心で殿様のところを逃げ出しますが、たくさんの矢を射られ、傷ついた体でスーホのもとへたどり着いて——息を引き取ります。
深く悲しむスーホの夢枕に、白馬が立ちます。その教えのとおりに、スーホは白馬の骨や皮で楽器を作りました。それが、モンゴルに伝わる楽器「馬頭琴」。再話は大塚勇三さん、絵は赤羽末吉さん。悲しくも美しい、世界的に評価される名作です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「スーホの白い馬」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 子どもと一緒に命の尊さや絆について考えたい
- 悲しみや別れにふれ、豊かな感情を育てたい
- 心に深く残る、本物の名作を読み聞かせたい
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「スーホの白い馬」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


命と愛について深く考えるなら100万回生きたねこ
「スーホの白い馬」と同じく、命や愛を真正面から描いた名作。こちらは少し哲学的で、答えのない問いを自分なりに考える余白があります。じっくり心で味わう物語を読みたい方におすすめです。


大切な存在の尊さに気付くならいつもいっしょに
身近な存在を失いそうになって、その大切さに気付くお話。「スーホの白い馬」の重く深い悲しみよりも、やわらかな雰囲気で「大切な人を大事にしよう」と感じたい方におすすめです。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 命の尊さや、大切な存在との絆を感じる
- 悲しみや別れにふれ、心を動かす経験をする
目的・ねらい1 命の尊さと、大切な存在との絆を感じる
スーホと白馬の関係が、命を大切にする心を育てる!
スーホと白馬は、互いを思い合い、支え合って生きていきます。スーホは白馬のために、白馬はスーホのために一生懸命——その姿は、命あるものを大切にする気持ちや、誰かと深く結ばれることの尊さを、子どもたちにまっすぐ伝えてくれます。
命をいたわる気持ちが芽生え、生き物やものを大切にしようとする姿が見られる5歳児(年長)の時期にぴったりです。白馬の死という悲しい結末も、だからこそ「命はかけがえのないもの」という実感を、深く心に刻んでくれます。生き物を飼っている園や家庭では、その経験と重ねながら読むのもおすすめです。
目的・ねらい2 悲しみや別れにふれ、心を動かす経験をする
悲しい物語だからこそ、豊かな感情が育つ!
楽しいお話だけでなく、悲しみや切なさにふれる経験も、子どもの心の成長にとってとても大切です。「スーホの白い馬」は、白馬との別れという悲しい結末を通して、子どもたちの心を静かに、深く揺さぶります。
登場人物に共感し、悲しいと感じる経験は、他者の気持ちを思いやる力につながっていきます。また、モンゴルの草原や馬頭琴という異文化にふれることで、世界の広さを感じるきっかけにもなります。読み終えた後、子どもが感じたことを大切に受け止めてあげましょう。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
| 年齢 | 5歳児〜小学生 |
| 季節 | 一年中 |
| 行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
悲しい結末をしっかり受け止められる5歳児〜小学生におすすめです。
出版社の対象年齢は「4歳から」ですが、文章量が多く、白馬の死という重いテーマを含むため、物語を最後まで集中して聞け、悲しみを受け止められる5歳児(年長)以降が特におすすめです。
小学校の国語の教科書にも掲載されている作品なので、就学を意識する年長さんが、教科書で出会う前に絵本でまるごと味わっておくと、物語の世界をより深く楽しめます。悲しい場面があるので、読んだ後は子どもの気持ちに寄り添う時間をとってあげましょう。
時期・季節・行事
季節・行事を問わず、一年中じっくり読める一冊です。
特定の季節や行事に縛られないので、いつでも読めます。落ち着いて物語に浸れる時間を選んで読むと、作品の世界がより深く心に届きます。にぎやかな活動の合間ではなく、静かな時間に読むのがおすすめです。
命について考える機会や、音楽(楽器)に親しむ活動と関連づけて読むのも良いでしょう。馬頭琴の音色を動画などで聞かせてあげると、物語の余韻がいっそう深まります。
読み聞かせのポイント


「スーホの白い馬」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- 悲しい場面は、感情を込めすぎず穏やかに読む
- 読んだ後は、子どもの気持ちにそっと寄り添う
ポイント1 悲しい場面は、穏やかに読む
読み手が落ち着いていることで、子どもは安心して感じられる!
白馬との別れの場面は、物語のいちばんの山場です。ここで読み手が過剰に感情を込めて泣くように読んでしまうと、子どもは内容よりも読み手の様子に気を取られてしまいます。あえて声色を大きく変えず、穏やかに、ていねいに読むことで、子どもたちは自分のペースで物語の悲しみを受け止めることができます。
淡々としすぎず、かといって泣かせようとしすぎず。物語そのものが持つ力を信じて、落ち着いた語りで届けるのがこの絵本のコツです。
ポイント2 読んだ後は、子どもの気持ちに寄り添う
感想を急がず、感じたことを大切にする!
読み終えた後、子どもたちはさまざまな気持ちを抱えています。「悲しかった」「白馬がかわいそう」と言葉にする子もいれば、しんと黙り込む子もいます。どんな反応も否定せず、そっと受け止めてあげましょう。
「どう思った?」と感想を無理に引き出そうとせず、子どもが感じたことをそのまま大切にするのがポイントです。すぐに別の活動に移らず、少し静かな余韻の時間をとることで、心に深く残る読み聞かせになります。馬頭琴の音色を聞かせてあげると、物語の世界がやさしく心に残ります。


まとめ・Ryuの感想


悲しくも美しい、一生心に残る本物の名作です。
「スーホの白い馬」を読み聞かせると、いつもにぎやかな子どもたちが、しんと静まりかえって聞き入ります。白馬との別れの場面では、真剣な表情で物語の世界に入り込み、読み終えた後にはなんともいえない余韻が教室に残ります。
保育士として、楽しいだけでなく、悲しみや命について深く感じる絵本も子どもには必要だと感じています。この作品は、その役割をこれ以上ないほど美しく果たしてくれます。赤羽末吉さんの雄大な絵と、大塚勇三さんの端正な語りが、モンゴルの草原と少年の心を見事に描き出しています。
命の尊さ・絆・別れと、子どもの心を深く育てるものが詰まった一冊。教科書で出会う前に、ぜひ絵本でまるごと味わってほしい、時代を超えて読み継がれる名作です。



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