【3,4,5歳児おすすめ絵本】ちょっとだけ【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
Ryu「ちょっとだけ」は私が”頑張る気持ちと甘えたい気持ち、どちらも大切にして欲しい“”少しずつ成長していく嬉しさを感じて欲しい“というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 自分のことを自分でやろうと前向きに頑張る
- 頑張る一方で、甘えたい気持ちも安心して出せる
作品紹介
| 作 | 瀧村有子 |
| 絵 | 鈴木永子 |
| 出版社 | 福音館書店 |
| 発行日 | 2007/11/15 |
| 値段 | ¥990(税込) |
| 大きさ・ページ数 | 27×20cm/32P |
「ちょっとだけ」はこんな絵本!
「ちょっとだけ」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「ちょっとだけ」を簡単にまとめてみました。
- お姉さんになったなっちゃんが、「ちょっとだけ」自分で頑張る姿を描いた名作
- 頑張る切なさと、甘えたい気持ちの両方に寄り添ってくれる
- きょうだいができた子はもちろん、成長を応援したいすべての子に
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


お姉さんになったなっちゃんの、健気な頑張りと甘えたい気持ちの物語!
弟が生まれて、なっちゃんはお姉さんになりました。お母さんは赤ちゃんのお世話で大忙し。今までのように、いつでもなっちゃんの「やって」に応えてもらえるわけにはいかなくなりました。
そこでなっちゃんは、髪を結んだり、コップに牛乳を注いだり、ジャンプをしたり……いろんなことを「ちょっとだけ」自分ひとりでやってみます。完璧にはできないけれど、ちょっとだけできた——その小さな頑張りの積み重ねが、なんとも健気で愛おしいのです。
でも、眠くなったときだけは、どうしてもお母さんに甘えたくなります。「ちょっとだけ、抱っこして」と言うなっちゃんに、お母さんは「ちょっとだけ……ながーく抱っこしてあげる」と応えてくれます。頑張る切なさと、母の深い愛情に、思わず胸がいっぱいになる一冊です。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「ちょっとだけ」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 下の子が生まれて、上の子の気持ちに寄り添いたい
- 自分でやろうとする自立心や頑張る心を応援したい
- 家族の愛情がじんわり伝わる絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「ちょっとだけ」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


親の愛情をまっすぐ感じるならおかあさん だいすきだよ
子どもの「こうしてほしい」という思いと、親の愛情が描かれた一冊。「ちょっとだけ」と同じく、親子の心のやり取りをあたたかく味わいたい方におすすめです。


不安にそっと寄り添うならだいじょうぶ だいじょうぶ
おじいちゃんの「だいじょうぶ」が心を支えてくれる名作。「ちょっとだけ」と同じく、頑張る子どもの心に寄り添う一冊で、就学を控えた時期にもおすすめです。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 自分でやろうと頑張る気持ち(自立心)が育まれる
- 頑張る一方で甘えたい気持ちも受け止められ、安心する
目的・ねらい1 自分でやろうと頑張る気持ちを育む
なっちゃんの「ちょっとだけ」が、子どもの背中を押す!
なっちゃんは、お母さんに頼れない場面で、いろんなことを「ちょっとだけ」自分でやってみます。完璧ではないけれど、自分の力でやろうとするその姿は、子どもたちにとって「自分もやってみよう」という挑戦の手本になります。
身の回りのことを自分でこなせるようになり、達成感を積み重ねていく5歳児にとって、なっちゃんの頑張りはとても共感しやすいもの。少しずつできることが増えていく嬉しさを物語を通して感じることで、自立心や前向きに挑戦する気持ちが育っていきます。
目的・ねらい2 甘えたい気持ちも受け止められる安心感を感じる
頑張るだけじゃない。甘えていいんだ、という安心!
この絵本が素晴らしいのは、頑張ることだけを良しとしないところです。いっぱい頑張ったなっちゃんが、最後に「ちょっとだけ、抱っこして」と甘え、お母さんがそれを「ながーく」受け止めてくれる——この場面に、子どもたちは深い安心を感じます。
頑張りたい気持ちと、甘えたい気持ち。その両方を持っていていいんだと伝えてくれることは、子どもの心の安定にとってとても大切です。特に下の子が生まれて我慢が増えた上の子にとっては、自分の気持ちを重ねて、ほっと安心できる一冊になります。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
| 年齢 | 3歳から(特に4〜5歳児) |
| 季節 | 一年中 |
| 行事 | きょうだい誕生のタイミングに |
対象年齢
読んであげるなら3歳から。気持ちに深く共感できる4〜5歳児に特におすすめです。
3歳ごろから、なっちゃんの頑張る姿やお話の流れを楽しむことができます。「頑張りたいけど甘えたい」という複雑な気持ちにしっかり共感できるのは、自分と他者の気持ちを重ねて考えられるようになる4〜5歳以降です。
特に、下にきょうだいが生まれて我慢が増えた子にとっては、年齢を問わず心に響く一冊。なっちゃんに自分を重ねて、「自分もこんな気持ちだった」と感じられることで、気持ちの整理にもつながります。
時期・季節・行事
季節を問わず読めますが、下のきょうだいが生まれたタイミングに特におすすめです。
特定の季節や行事に縛られない一冊ですが、弟や妹が生まれて、上の子が我慢を覚え始めた時期に読むと、なっちゃんの気持ちと自分が重なり、いっそう心に届きます。
進級して「お兄さん・お姉さん」を意識する新年度のタイミングに、頑張る気持ちを応援する絵本として読むのもおすすめです。
読み聞かせのポイント


「ちょっとだけ」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- なっちゃんの頑張りを、温かく見守るように読む
- 最後の抱っこの場面は、ゆっくり優しく読む
ポイント1 なっちゃんの頑張りを、温かく見守るように読む
健気な頑張りに、優しいまなざしを込める!
なっちゃんが「ちょっとだけ」できた、という場面が繰り返されます。ここを淡々と読むのではなく、なっちゃんの小さな頑張りを応援するような、温かい気持ちを込めて読むと、健気さがいっそう伝わります。
「ちょっとだけ、できたね」という気持ちで読むことで、聞いている子どもたちも、自分の頑張りが認められているような安心感を感じられます。
ポイント2 最後の抱っこの場面は、ゆっくり優しく読む
物語の一番の山場を、たっぷり味わう!
この絵本の一番の見せ場は、なっちゃんが甘え、お母さんが「ながーく」抱っこしてあげる最後の場面です。ここは急がず、「ながーく」の部分をゆっくり、たっぷりと読んであげましょう。
頑張ったあとに受け止めてもらえる安心感が、子どもたちの心にじんわりと広がります。読み終わった後の優しい余韻も大切に。そっと子どもを抱きしめてあげると、絵本の世界がそのまま現実につながる、特別な時間になりますよ。


まとめ・Ryuの感想


頑張る子どもと、それを見守る大人の両方の心に響く名作です。
「ちょっとだけ」は、読むたびに胸がきゅっとなる一冊です。なっちゃんの健気な頑張りに、子どもたちも自然と感情移入し、最後の抱っこの場面では教室全体が温かい空気に包まれます。
保育士として何より素晴らしいと感じるのは、「頑張ること」と「甘えること」の両方を肯定している点です。下の子が生まれて我慢している子の気持ちを、これほど優しくすくい上げてくれる絵本はなかなかありません。瀧村有子さんの言葉と鈴木永子さんの優しい絵が、見事に調和しています。
自立心・家族の愛・心の安定と、子どもに届けたいものが詰まった一冊。きょうだいが生まれたご家庭へのプレゼントにもぴったりの、自信を持っておすすめできる名作です。



記事を書く励みになります。ポチっとお願いします!









