【3,4,5歳児おすすめ絵本】こんとあき【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】
Ryu「こんとあき」は私が”大切なものを愛おしく思う気持ちを育てたい“”一人でも頑張れる勇気を感じて欲しい“というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。
- 自分の大切なものを愛おしみ、丁寧に扱おうとする
- 不安な場面でも自分なりに頑張ろうとする気持ちを持てる
作品紹介
| 作 | 林明子 |
| 絵 | 林明子 |
| 出版社 | 福音館書店 |
| 発行日 | 1989/9 |
| 値段 | ¥990 |
| 大きさ・ページ数 | 26×21cm/56P |
「こんとあき」はこんな絵本!
「こんとあき」ってどんな内容の絵本?
そんな疑問にお答えするために「こんとあき」を簡単にまとめてみました。
- ぬいぐるみのこんと女の子あきが、二人きりで汽車の旅に出る温かい冒険絵本
- 愛着・勇気・信頼というテーマが、子どもの心に自然と沁み込む
- 林明子の細やかで美しい絵が、物語への没入感をぐっと高める
まるわかりQ&A
あらすじ・ストーリー・内容


ぬいぐるみのこんと女の子あきの、まっすぐで温かな旅物語!
あきが生まれる前から、おばあちゃんが作って待っていたキツネのぬいぐるみがこん。二人は仲良しで一緒に大きくなってきましたが、長い月日の中でこんの腕がほころんでしまいました。
「おばあちゃんのところへ行けば、直してもらえる」とこんが言い出し、二人は汽車に乗って旅に出ます。慣れない旅の途中で、こんが見知らぬ犬に連れ去られてしまいます。一人になったあきは大泣きしますが、こんはアナグマに追われながらも、あきのもとへ必死に戻ろうとします。
ようやくたどり着いたおばあちゃんの家で、こんはきれいに直してもらいました。そして最後のページをめくると——もう一つの小さな変化が、物語を静かに、でも確かに締めくくります。


こんな方におすすめ


以下の項目に当てはまる方に「こんとあき」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。
- 子どもの愛着の気持ちや「物を大切にする心」を育てたい
- 一人でも頑張れる自信や勇気が育まれる絵本を探している
- 美しい絵と感情移入できるストーリーの絵本を探している
絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!
「こんとあき」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!


一人で頑張る経験を生き生きと描いた「はじめてのおつかい」
「こんとあき」は二人で旅に出るからこそ心強さがある絵本ですが、「はじめてのおつかい」は主人公みいちゃんが完全に一人で行動するお話。自分と重ねて感情移入しやすく、達成感や自立心をより直接的に感じることができます。勇気を持って挑戦する姿を描いた絵本が読みたい方におすすめです。


不思議な旅と帰還のテーマが共鳴する「かいじゅうたちのいるところ」
「こんとあき」と同じく「旅に出て、帰ってくる」という構造を持ちながら、こちらはファンタジーの要素が強く、冒険のスケール感が違います。「こんとあき」より少しエネルギッシュな雰囲気が好きな方や、男の子に読みたい方に特におすすめです。
目的・ねらい


絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。
- 大切なものを愛おしみ、丁寧に扱う気持ちが育まれる
- 不安な場面でも勇気を持って踏み出す力と、信じて待つ心が育まれる
目的・ねらい1
自分のお気に入りと重ねながら聞く体験が、愛着心を豊かにする!
保育園でも、自分のお気に入りのぬいぐるみや物を大切にしている子どもたちはたくさんいます。「こんとあき」を読んだ子どもたちは、こんの旅を自分の大切なものと重ね合わせながら聞いています。
「こんがほころびてかわいそう」「あきが一人になって心配」という言葉が自然に出てくるのは、それだけ感情移入できているから。こんがおばあちゃんにきれいに直してもらえた場面では、本当にほっとした表情を見せてくれます。
「大切なものを大切にしたい」という気持ちが、絵本を通して静かに、でも確かに育まれていきます。読んだ後に子どもが自分のぬいぐるみをそっと抱きしめる姿は、この絵本ならではの光景です。
目的・ねらい2
不安でも踏み出すこんの姿が、子どもたちの背中を押す!
こんが一人でアナグマから逃げながら、あきのもとへ戻ろうとする場面は、読み聞かせをしていると子どもたちが一番集中している瞬間のひとつです。不安な中でも諦めずに頑張るこんの姿が、子どもたちにとって「自分もやってみたい」「きっとできる」という感覚を引き出すきっかけになります。
また、一人で待ちながら泣かずに頑張ろうとするあきの姿も、子どもたちの自立心に静かに響きます。絵本の登場人物に自分を重ねる体験が、自己肯定感や自立心の土台をつくっていきます。
実際に読んだ後で「こんみたいに一人でも頑張れる?」と聞くと、多くの子が「うん!」と答えてくれます。押しつけではなく、物語を通じて自然に引き出せるところが、この絵本の大きな魅力です。
チェックポイント


現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。
| 年齢 | 3〜5歳、特に4歳児 |
| 季節 | 一年中(特に秋がおすすめ) |
| 行事 | 関係なく楽しめる |
対象年齢
3歳後半から5歳、特に4歳児がもっとも楽しめます。
56ページとページ数がやや多いため、集中力が続くようになる3歳後半以降がおすすめです。3歳前半ではあらすじを楽しむことはできますが、こんとあきそれぞれの心情を追うことが少し難しい場合があります。
4歳になると登場人物の気持ちを想像しながら聞けるようになり、物語の深みが一段と伝わります。5歳児では「最後にあきが大きくなっている」という変化にも自分で気づき、物語をより豊かに受け取ることができます。
一方で、自分のお気に入りのぬいぐるみや物がある子なら、3歳からでもこんへの愛着をしっかり感じながら楽しめます。子どもが自分の大切なものと絡めて聞いている様子があれば、それは絵本が心に届いているサインです。
時期・季節・行事
一年中楽しめますが、落ち着いた雰囲気が漂う秋の読み聞かせに特に合います。
汽車の旅、砂丘、おばあちゃんの家の温もりなど、絵本全体に流れる穏やかな空気が、秋の保育の雰囲気にぴったり重なります。また「遠足」や「バス・電車に乗る体験」の前後に合わせて読むと、旅への期待感や不安を子どもたちと共感しながら読み聞かせできる場面が増えます。
特定の行事との関連はありませんが、年度の後半(10月〜3月)にかけて子どもたちが精神的に成長し感情移入が深まる時期に読むと、こんとあきの物語が一層心に響くでしょう。
読み聞かせのポイント


「こんとあき」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。
- こんとあき、それぞれの声を使い分けましょう
- 絵をじっくり見せながら、ゆっくりとページをめくりましょう
ポイント1
二つの声が、キャラクターを生き生きとさせる!
「こん」はおっとりして少し低い優しい声、「あき」は子どもらしくやや明るくハキハキした声——と使い分けるだけで、二人のキャラクターがぐっと生き生きとします。
特に「だいじょうぶ、だいじょうぶ」というこんの言葉は、物語の中で繰り返し登場する大切なセリフです。あえてゆっくり、落ち着いた声で読むことで、聞いている子どもたちが「こんに守られている感覚」を受け取りやすくなります。
また、こんがいなくなって泣くあきの場面は、あきの不安と悲しさが伝わるよう少し声のトーンを落とすと効果的です。声のわずかな変化が、子どもたちの感情移入をぐっと深めてくれます。
ポイント2
ページごとに豊かな情報と物語が詰まっている!
細部まで丁寧に描かれており、背景にも物語の情感が散りばめられています。急いでページをめくると、せっかくの絵の魅力が十分に伝わりません。
特に「砂丘でこんが一人で歩く見開きページ」は、子どもたちが自然と絵の中に引き込まれる場面です。読み手がそのページでほんの少し間を置くだけで、子どもたちの目がぐっと絵に向き、物語の世界により深く入り込んでいきます。
読み終わった後に「どこか気になったページある?」と聞いてみると、子どもたちが自分の感じた場面を話してくれます。その言葉から、どれだけ絵本の世界に入っていたかが分かり、読み聞かせの充実度を実感できます。


まとめ・Ryuの感想


子どもも大人も、読んだ後に胸が温かくなる大切な一冊です。
「こんとあき」を初めて読み聞かせた時から、子どもたちの集中力が違いました。ぬいぐるみと旅に出るというシンプルな設定なのに、こんが迷子になるシーンでは本当に心配そうな顔をして、おばあちゃんに直してもらえた場面ではほっとした表情を見せてくれます。
大人が読んでも胸に刺さるストーリーで、私自身も読むたびに「大切なものを大切にしたい」という気持ちが蘇ります。子どもが自分のお気に入りのぬいぐるみと重ねながら聞く姿は本当に微笑ましく、読み聞かせの中でも特に充実した時間が生まれる一冊です。
愛着・勇気・信頼というテーマが押しつけがましくなく、自然な形で心に届くところが林明子作品の真骨頂。ぜひ保育士さんにも、親御さんにも、手に取ってほしい作品です。



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