【羨むという行為について考えさせられる】こぶとりじいさん【現役保育士がレビュー】

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【4,5歳児おすすめ絵本】こぶとりじいさん【ねらい・読み聞かせのポイント教えます】

Ryu

「こぶとりじいさん」は私が”物事を前向きに考える大切さを感じて欲しい””人の事を過度に羨んだり、欲を出しすぎると良くないこともある事を知って欲しい”というねらい・想いを持って読むことが多い一冊です。
保育士歴10年以上のRyuが日本一詳しいレビューをお届けします。

「こぶとりじいさん」を通じて目指す子どもの姿
  • 物事を前向きに考える大切さを感じる
  • 人を羨むという行為を知る
  • 欲を出しすぎると良くないこともあるのを感じる
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目次

作品紹介 

作・絵いもと ようこ
出版社金の星社
発行日2009/1
値段¥1540
大きさ・ページ数28.6×22.5cm/32P

「こぶとりじいさん」はこんな絵本!

「こぶとりじいさん」ってどんな内容の絵本?

 そんな疑問にお答えするために「こぶとりじいさん」を簡単にまとめてみました。

  1. 有名な日本昔話の1つをいもとようこさんが親しみやすく描いた作品
  2. 悲観せず、前向きに捉えて生きる良さが感じられる
  3. むやみに人を羨む事への警鐘を伝えている

まるわかりQ&A

「こぶとりじいさん」を一言で表すと?

楽しいストーリーと共に様々な教訓が感じられる作品!

子どもの反応は?

展開や描写に驚いたり笑いながらストーリーを楽しむ!

ずばり何歳向け?

4歳児向け!

どんな人は買い?

前向きに生きる事の大切さや人を羨むことを考えるきっかけになる絵本を探している人!

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あらすじ・ストーリー・内容

楽しいストーリーと共に教訓が感じられる日本昔話の有名作です。

 ある所に右の頬にこぶのあるお爺さんがいました。大きなこぶでしたが、お爺さんはいつも笑っています。一方、隣のお爺さんは左に同じようなこぶがあり、いつもいらいら怒っています。

 ある日、いつもニコニコ笑っているお爺さんが山へ薪を取りに行った時に雨に降られてしまいました。雨宿りをしていると外から賑やかな笛や太鼓の音が聞こえてきます。お爺さんは外を見てびっくり!鬼たちが集まって宴会をしています。

 踊りが大好きなお爺さんは体が動き出してしまい、ついには鬼たちの前で踊ってしまいました。しかし、愉快な踊りをするお爺さんを鬼たちも気に入り、明日も来るように伝えます。そして鬼はお爺さんに逃げられないように大切な物として”こぶ”を預かりました。

 お爺さんのこぶはなくなり、スッキリ!それを聞いた隣のお爺さんは羨ましがり、自分も鬼たちに会いに行くことにしました。ところが、踊りが嫌いで長い事笑っていなかったお爺さんの踊りの下手なこと!

 とうとう鬼たちも怒り2度と来るなと、ニコニコのお爺さんから預かっていたこぶを不機嫌なお爺さんの右の頬につけてしまいました。不機嫌なお爺さんは両頬にこぶができて泣きながら帰っていきました。

 こぶが2つになったお爺さんは暫く泣いていましたがもう泣いていません。今度はこぶを取ってもらえるようにニコニコのお爺さんと一緒に笑顔で踊りの練習をしていますから。

 様々なメッセージを楽しく感じ取れる一冊です。

こんな方におすすめ

以下の項目に当てはまる方に「こぶとりじいさん」はぴったりの絵本です!購入を検討してみましょう。

  1. 前向きに物事を捉える大切さを感じられる絵本を探している
  2. 人を羨んだり、欲張る事がどのような結果を招くことがあるのかが描かれている絵本を探している

絵本比較!あなたに合った絵本を探そう!

「こぶとりじいさん」は探している絵本とは違った…。そんなあなたにはこちらをおすすめ!

欲を出しすぎた先の結末が分かる「そらいろのたね」

 もらったものを大切にし、友だちと分け合う主人公のゆうじは、動物たちに囲まれて幸せそう。ですが、独り占めしたり、わがままを言うキツネは結局最後には全てを失うストーリー。他者の思いを理解する上で是非読みたい一冊です。

 柔らかい雰囲気の中で欲を出す事について考えさせられる絵本を探している時にはこちらをおすすめ。

どんな状況も前向きに考える良さが感じられる「ぐりとぐらのおおそうじ」

掃除がテーマのぐりとぐらシリーズ。汚くなってしまった部屋をどう掃除するのか…二匹の発想がとても面白く、掃除や片付けが楽しく感じられるきっかけになり得ます。言葉の響きも楽しむことができる作品です。

 大変な状況の中でも前向きな発想で問題を解決する楽しさを感じたい時におすすめの一冊。

目的・ねらい

絵本はそれぞれ作者の願いや思いが込められています。その思いを汲み取り、絵本を読むときに目的やねらいを持つ事をおすすめします。以下の「目的・ねらい」はRyuが読み聞かせをするときに大切にしている事です。参考にしてみてください。

  1. 身の回りの事を前向きに捉えようとする
  2. 周りの人を羨ましがるという事がどういう行為なのかを考えようとする

目的・ねらい1 

両極端なお爺さんの姿で分かりやすく良い方を示してくれます。

 同じこぶがあってもいつもニコニコでいるお爺さんと怒ってばかりいるお爺さん。笑っているお爺さんにとってもこぶは邪魔なものではありましたが、こぶに対する捉え方が違ったために、両極端な結末になりました。

 このことから”身の回りに起こる物事を悲観していても仕方ない”というようなメッセージが感じられます。このメッセージはもしかしたら子どもには難しいかもしれませんし、時には怒りを表すのも素敵なことですが、どちらかと言えば”笑顔でいた方がよさそうだな”と感じるでしょう。

 モノは考えようによって良くも悪くもなる事を子どもにも分かりやすく伝えてくれています。

目的・ねらい2  

羨ましいという気持ちや羨ましがる行為を知るきっかけになります。

 3,4歳頃になってくると自分だけでなく周りの状況への理解も進み、比較することが始まると言われています。その中で他者に対し「いいな」という思いが生まれてくることに気付きます。

 憧れを抱くこと、他者を羨ましいと感じる事は自分の成長にとって必要なモノの1つではありますが、過度に思いすぎるとお爺さんのようになってしまう事を「こぶとりじいさん」を通じて知る事が出来ます。

 他者を羨ましがる行為がどのような事で、良い面や悪い面があることを考えるきっかけになるでしょう。

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チェックポイント

現場で毎日読み聞かせを行う現役保育士が、実際に何度も読み聞かせをしたことで分かった大切なポイントを見ていきましょう。

年齢幼児期、特に4歳児
季節一年中
行事関係なく楽しめる

対象年齢

幼児期以上がおすすめです。

 ストーリーの最初から最後まで繋がっている展開や文字数やメッセージ性などを考えると3歳以上でないと途中で飽きてしまったり、メッセージなどを感じる事は難しいでしょう。

 特に他者との比較などが始まる4歳児頃に読むことで羨ましがるという行為について考えるきっかけになるので、おすすめです。

時期・季節・行事

勝ち負けのあるゲームなどで悔しがる姿が見られるようになった時期がおすすめです。

 ゲームなどで負けて悔しいと感じ、相手を羨ましがったりする時が発達の段階の中で多くの子に見られます。悔しいという思いを抱くことは大切だと伝えつつも過度に羨ましがった結果を「こぶとりじいさん」を通じて伝える事ができます。

 羨ましがる事を否定する必要はありませんが、4歳児頃はその行為自体を考えるきっかけにぴったりな時期です。

 季節や行事との関連性はなく、ストーリーを楽しんだり、人生を通しての教訓が感じられる作品なので1年を通して楽しむ事が可能です。

読み聞かせのポイント

「こぶとりじいさん」を読み聞かせをする中で意識しているポイントです。読み方を少し意識するだけで内容がぐっと伝わりやすくなります。読み聞かせをする中で自分なりのポイントも探してみるのも面白いですよ。

  1. 感情を込めたり、声色を変えながら読みましょう
  2. 読んだ後に感想を伝えたり、求めるのは避けましょう

ポイント1  

登場人物の気持ちを考えたり、アクセントを加えて読むとより分かりやすくなります。

 主な登場人物はニコニコのお爺さん、怒っているお爺さん、鬼たちの三人。その三者の気持ちの動きなどを想像しながら声に表して読むことでストーリーに深みや強弱が生まれ、聞き手がより引き込まれやすくなります。

 また、台詞ではないのですが太鼓や笛の音を表現した「ドンツク ドンツク ピィヒャララ」という言葉が繰り返されているのですが、少し声を高くして音を表現した言葉を読むことでアクセントになり、聞き手の緊張などを少し和らげる事もできるので意識して読むことをお勧めします。

ポイント2

教訓を伝えたい思いはぐっと堪えて、聞き手の思いを大切に!

 悲観的にならずいつも前を向く大切さ、過度に羨ましがる事は良くないなど「こぶとりじいさん」を通じて伝えたいことや感じて欲しい事は多くありますが、感じる事を強要してしまっては意味がありません。

 あくまでストーリーを楽しむ中で聞き手が自然と感じる事が大切なので、読んでいる途中や読み聞かせが終わった後に「いつもニコニコしていようね」「人の事を沢山羨む事はダメだね」などと言う必要は全くありません。

聞き手は自分なりの考えや解釈で絵本を楽しんでいるものなので、その思いを大切にするためにも読み手の感想などは伝えないようにしましょう。

まとめ・Ryuの感想

ストーリーや展開を楽しみながら教訓も得られる、昔話らしい楽しい作品です。

 昔話と言うとどこか暗かったり、中には怖いイメージも生まれてしまいがちですが、「こぶとりじいさん」は鬼という怖い存在は登場しつつも決して暗い展開にはならず、寧ろ明るい雰囲気で楽しむ事ができます。

 明るい雰囲気の中で楽しみながらしっかりと教訓などを感じることができたら一石二鳥ですよね。

 実際に読み聞かせをすると大きなこぶがあるお爺さんたちが面白いようでそこでまず笑ったり、ニコニコのお爺さんが踊る場面では一緒に「ドンツク ドンツク ピィヒャララ」と声を出しながら読んだりと、一体感すら感じながら読み進める事ができます。

 確かにメッセージ性が強い部類の作品ではありますが、純粋にストーリーが面白いので最後まで苦にならず楽しみながら様々な事を感じる事ができます。

 教訓もあり、反応もあって楽しめる。そんな素敵な一冊です。

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